芝東照宮は、東京都港区芝にある徳川家康公をご祭神としている神社です。
芝東照宮は、徳川家康を祀る神社として、日光東照宮、久能山東照宮、上野東照宮と並び「四大東照宮」の一つに数えられています。
芝東照宮の起源は増上寺の安国殿
家康公の死の翌年(1617年)、増上寺に家康公の霊を祀る廟として安国殿が建てられ、安国殿が芝東照宮の起源です。
1624年の境内図(江戸名所図会 増上寺絵図)を見ますと、安国殿は増上寺本堂の奥(西側)にあり、本堂の倍以上の敷地を持っていました。
徳川家光の時代に増上寺は徳川家の廟所として大規模な整備が行われ、その際に安国殿は本堂の南側の現在の場所に移転されました。
明治時代に入ると神仏分離で安国殿は増上寺から独立させられて東照宮と改称されました。
芝東照宮の建築様式・構造・装飾
芝東照宮の建築様式は権現造であり、神仏習合の思想が反映された華麗な権現造りとなっています。
社殿は鮮やかな朱色に塗られており、建物の各所に精巧な彫刻が施されており、龍や鳳凰などの瑞祥的なモチーフが多く見られます。
屋根の形状に唐破風が多く用いられており、華麗な印象を与えています。
御神体は徳川家康公の六十歳寿像
御祭神は徳川家康公、御神体は木造彫刻の「六十歳寿像」です。
徳川家康公は60歳の時に家臣に命じて家康公の等身大の「六十歳寿像」を彫らせました。
家康公は亡くなる際に、「六十歳寿像」を国家安泰の守り神として増上寺の安国殿に祀るよう遺言したとされています。
家康公は元和2年(1616年)に亡くなりましたが、遺言のとおり、元和3年(1617年)に「六十歳寿像」は安国殿に奉安されました。
【寿像、年一度だけ御開帳される】
「六十歳寿像」は、通常非公開ですが、年に一度、家康公の命日である4月17日のみ御開帳されます。間近で寿像をご覧になりたい方は、この日に参拝してみましょう。
ご利益(御神徳)
徳川家康公は、戦国時代の動乱を平定し、江戸幕府を開いた偉大な人物です。多くの武勲を立て、約260年にわたる長期政権の礎を築き、当時としては長寿であったことなどから以下のご利益があるとされています。
- 勝負運・出世運の向上
家康公は数々の戦を勝ち抜き、天下統一を成し遂げたことから、勝負運や出世運のご利益があるとされています。ビジネスマンや受験生など、目標達成を目指す人々に特にご利益があるとされています。 - 厄除け・開運
家康公は多くの苦難を乗り越え、成功を収めた人物ですので、厄除けや開運のご利益があるとされています。人生の転機を迎える人や、新たなスタートを切りたい人にご利益があるとされています。 - 健康長寿
家康公は、当時としては長生きした方であり、晩年まで比較的健康に過ごされたことから、健康長寿のご利益があり、ご自身の健康に限らず家族の健康にもご利益があるとされています。 - 事業繁栄
家康公は、江戸幕府を開き、経済を安定させ長期政権の基盤を作ったことことから、事業繁栄のご利益があるとされています。 - 交通安全
江戸幕府を開き、江戸と地方を結ぶ五街道(東海道、中山道、甲州街道、日光街道、奥州街道)の交通網を整備したことから交通安全のご利益があるとされています。 - 学業成就
家康公は、非常に学問好きで、特に儒学を奨励し、武士の教育や学問の発展と普及に尽力したことから、学業成就のご利益があるとされています。
パワースポット!御神木の大イチョウ
東京都の天然記念物に指定されている大きなイチョウの木(大公孫樹)は樹齢350年以上、1641年に徳川第三代将軍・家光が植樹したものです。
戦争や災害を乗り越え、東京大空襲時には辺りが焼け野原になった中で無傷で生き続け、いまだにエネルギーに満ちた姿を見せています。そのため、訪れる人々にやる気や困難などを乗り越えるための力を与えてくれるパワースポットとなっています。
大イチョウの前には「神樹(右)」と「神之木記(左)」と刻まれた石碑が置かれており御神木として崇敬されています。
芝東照宮の見どころ
参道入口から鳥居
参道入口からの社殿までの距離は約110メートルです。
鳥居の笠木の端が斜めになっているので明神系の八幡鳥居と思われます。
中央の扁額には「家達」が記されており、徳川宗家第16代当主、徳川家達(いえさと)の名前です。
境内入口から社殿
参道から境内に上がる階段からの眺めです。
中央の奥に写っているのが御神木の大イチョウです。
社殿に向かって右手に手水舎があります。
手前の最後の階段を上がるといよいよ社殿です。
右斜めからの社殿です、左奥に社務所があります。
東照宮の文字と縁取りが美しい社殿の扁額です。
芝東照宮の御朱印・お守り
社務所の窓口で御朱印を拝受できます。
手書きの御朱印を頂くことができます。御朱印帳への直書きもあります(下の動画の撮影は男巫さんからの了承を得て公開しております)。
御朱印を頂いた際に、芝東照宮道中安寧守の御札が無料でした。
芝東照宮のお守りは社務所の左手の販売所で拝受できます。
【東照公(家康公)の御遺訓】
お守りの販売所には「東照公御遺訓」が置かれています、以下で全文をお読みください。
【遺訓 全文】
人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし、急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし、こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。
勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。
おのれを責めて人をせむるな。
及ばざるは過ぎたるよりまされり。
芝東照宮の例大祭(毎年4月17日)
芝東照宮では、一年を通して様々な祭事が行われています。その中でも特に大きなものは、毎年4月17日に行われる例大祭です。
例大祭(4月17日)
例大祭は、家康公のご逝去日である毎年4月17日に執り行われます。
例大祭は、芝東照宮の1年の始まりを告げる重要な祭事です。
徳川宗家、諸官庁の御来賓をはじめ、神社関係者、法人奉賛会、氏子崇敬者など、100名を超える方々が参列し、厳粛かつ盛大に執り行われます。
境内では八重桜が咲き誇り、特設の野点席では表千家芝門会有志の方々がお茶を振舞います。また、芝大神宮の伊勢音頭保存会による伊勢音頭などの踊りが披露されます。
月次祭
毎月2回、月次祭も行われています。
月次祭:毎月1日・17日
家康公へのお供え物、感謝の祝詞などが行われます、一般の方も特別な手続きなしで参列できます。
開始時間については、芝東照宮の下記の電話番号宛てにお問い合わせください。
芝東照宮 アクセス情報
住所
東京都港区麻布十番2丁目2
電話番号
03-3434-1155
交通アクセス
【電車】
都営地下鉄三田線 芝公園駅A4出口より徒歩1分
都営地下鉄三田線 御成門駅A1出口より徒歩2分
都営地下鉄浅草線・大江戸線 大門駅A6出口より徒歩5分
都営地下鉄大江戸線 赤羽橋駅赤羽橋口より徒歩7分
JR山手線 浜松町駅より徒歩12分
【車】首都高速都心環状線 芝公園ICからすぐ
開場時間
9:00~17:00
※季節によって変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。
拝観料は無料
公式ウェブサイト
https://www.shibatoshogu.com/
その他
駐車場: あり
御朱印: あり
結婚式: 神前式を行うことができます。
芝東照宮 周辺観光スポット
芝東照宮周辺でおすすめの観光スポットを以下に紹介します。
【増上寺】
芝東照宮のすぐ隣にある増上寺は、徳川将軍家の菩提寺として知られる由緒ある寺院です。江戸城の外郭を構成する寺院の一つであり、国の重要文化財に指定されている本堂や、東京タワーを背景にした風景は圧巻です。
www.zojoji.or.jp
【東京タワー】
日本の象徴的な観光スポットの一つである東京タワーは、芝公園内に位置しています。展望台からは、東京の街並みを一望でき、昼夜問わず美しい景色を楽しむことができます。
https://www.tokyotower.co.jp/
【芝公園】
芝東照宮や増上寺を含む広大な公園。四季折々の花が咲き、都会の喧騒を忘れさせてくれる静かな空間です。桜の季節には、多くの花見客で賑わいます。
parkful.net
【愛宕神社】
芝公園内にある愛宕神社は、火伏せの神様として信仰を集めています。急勾配の石段を上ると、東京タワーを一望できる展望台があります。
www.asoview.com
【芝大神宮】
芝公園内に鎮座する芝大神宮は、東京十社の一つ。商売繁盛の神様として信仰を集めています。
10jinja.tokyo
【芝大門】
芝公園の入口に位置する門、江戸時代には、この門をくぐると江戸城に入城できたそうです。
https://www.city.minato.tokyo.jp/shibachikusei/shiba/koho/documents/shiba11.pdf
芝東照宮 紹介まとめ
徳川家康公の等身大の寿像を御神体とする芝大神宮は勝負運アップなどにご利益があると言われています。また、徳川家光が植樹した大イチョウは生命力とエネルギーが宿っていると信仰されています。
勝負事、受験、昇進試験や大きな目標に挑戦する前に参拝して、ご加護を祈願してみてはいかがでしょうか。
コメント