毎年5月、浅草の街が熱気に包まれる「三社祭」。
この記事では、2025年の開催日時から、勇壮な神輿渡御、歴史、見どころ、そしてお祭りグルメが楽しめる屋台情報までを余すことなくご紹介します。
江戸の粋と人々の熱意が息づく三社祭の魅力をたっぷりとお届けします。
浅草神社(三社様)の詳細は以下の記事で紹介しています。

浅草「三社祭」とは?
三社祭は浅草神社の例大祭であり、浅草神社の氏子44ヶ町を中心に毎年5月の第3金曜日から日曜日の3日間で行われる祭礼です。
3日間の合計の来場者数は約180万に達し、日本を代表するお祭りの一つとして数えられています。特に最終日の日曜日は、100万人以上が訪れるとされています。
一之宮・二之宮・三之宮の三基の宮神輿を担ぎ、浅草の街を練り歩く勇壮な姿は圧巻です。熱気あふれる担ぎ手たちの掛け声と、沿道を埋め尽くす観衆の歓声が一体となり、浅草の街全体が興奮に包まれます。
単なるお祭りというだけでなく、浅草の人々の信仰心と活力を象徴する、歴史と伝統を受け継ぐ重要な神事だと言えます。
浅草「三社祭」の起源と歴史
平安時代末期に隅田川で漁をしていた檜前浜成(ひのくまのはまなり)・竹成(たけなり)兄弟が、網にかかった人頭像を土師真中知(はじのまなかち)という地域の長に示し、それが聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)の尊像であることがわかります。
土師真中知はその聖観世音菩薩の尊像に深く感銘を受け、自宅を改めて寺として、その聖観世音菩薩像を御本尊として祀り浅草寺が創建されます。
その後、浅草寺の創建に深く関わった三人(檜前浜成・竹成兄弟、土師真中知)を神様として祀った三社権現社(現在の浅草神社)のお祭りとして、三社祭は「観音祭」または「浅草祭」と呼ばれながら、浅草寺と一体となって行われて始めたのが三社祭の起源です。
三社とは浅草神社の三柱の神様のことであり、この三柱を祀る浅草神社の例大祭であることから三社祭と呼ばれるようになったのです。
江戸時代に入ると、徳川家康の庇護によって、祭礼はさらに盛大になっていきました。
当初は神輿よりも山車(だし)が祭りの中心となり、各町が趣向を凝らした山車を競い合う賑やかな祭りとして発展しました。本社神輿を担いで町内を練り歩く現在の形になったのは、明治時代に入ってからです。
明治時代に入ると神仏分離令によって、浅草神社は浅草寺から分離し、その結果、三社祭は独立した神社の祭礼として行われるようになりました。
かつては旧暦3月17・18日に行われていましたが、明治5年(1872年)に新暦の5月17・18日に変更され、その後、昭和38年(1963年)からは5月第3週の金・土・日曜日の3日間で行われるようになりました。
浅草「三社祭」2025年の開催日時
2025年の浅草「三社祭」は、5月15日(木)から行われる予定です。
主な行事の日程は以下の通りです。
- 5月15日(木)
19:00 本社神輿神霊入れの儀 斎行(一般公開はありません) - 5月16日(金)
13:00 名物大行列執行
14:20 神事びんざさら舞奉納 - 5月17日(土)
10:00 例大祭式典斎行
12:00 各町神輿連合渡御 - 5月18日(日)
5:30 本社神輿担ぎ出し
7:00 本社神輿宮出し
夕方 宮入り
浅草神社の例大祭・三社祭の見どころ
三社祭の魅力的な各行事は以下のとおりです。
本社神輿神霊入れの儀
5月15日(木)19:00~
例大祭の期間中、三基の本社神輿に御祭神の御霊をお遷しする重要な儀式です。神職によって厳粛に執り行われ、神輿に宿る神様の力を高め、祭りの安全と成功を祈願します。この儀式を経て、神輿は渡御の準備が整います。
名物大行列執行
5月16日(金)13:00~雨天中止
祭りの賑わいを象徴する華やかな行列です。江戸時代の装束を身につけた人々や、鳶木遣り、芸者連、総勢数百名が浅草の街を練り歩きます。歴史絵巻さながらの光景は、祭りの見どころの一つであり、沿道には多くの見物客が集まります。
大名行列のの順路図はこちら(出典:浅草神社)
神事びんざさら舞奉納
5月16日(金)14:20~(社殿)
5月16日(金)15:00~(神楽殿)雨天中止
五穀豊穣や悪疫退散を祈願して奉納される伝統的な舞です。独特の衣装を身につけた人々が、竹製の楽器であるびんざさらを打ち鳴らしながら舞い踊ります。古式ゆかしいその姿は、祭りに神秘的な雰囲気を添えます。
びんざら舞の起について(浅草神社公式ページ)
例大祭式典斎行
5月17日(土)10:00~
三社祭の中心となる神事です。浅草神社の神殿において、氏子崇敬者や各界の代表者が参列し、一年の安泰や繁栄を祈願します。神職による祝詞奏上や玉串奉奠などが行われ、厳かで重要な儀式です。
各町神輿連合渡御
5月17日(土)12:00~
各町会の大小様々な神輿、約百基が浅草神社を目指して練り歩く、祭りのクライマックスの一つです。威勢の良い掛け声とともに担ぎ上げられる神輿は、熱気と活気に満ち溢れ、沿道の観衆を魅了します。それぞれの町会の個性豊かな装飾も見どころです。
本社神輿担ぎ出し~本社神輿宮出し~宮入
5月18日(日)5:30~夕方
三基の本社神輿が氏子町会へと渡御する一連の動きです。「担ぎ出し(5:30~)」は神社から神輿を出す場面、「宮出し(7:00~)」はそれぞれの神輿が各町会へ向けて出発する様子を指します。最終日の「宮入(夕方)」では、三基の神輿が再び神社に戻り、祭りの終わりを迎えます。特に宮入は、担ぎ手たちの熱意が最高潮に達する瞬間です。
本社神輿各町渡御の神輿ルート
本社神輿三基が各町会を渡御します、各神輿が渡御する順路は以下のリンクから確認いただけます。
一之宮神輿は南部を渡御、二之宮は東部、三之宮は西部を渡御します。
ぜひ、上記の神輿ルートを参考にして本社神輿各町渡御を効率良く見学してみてください。
浅草神社へのアクセス・行き方
【最寄駅】浅草駅
浅草寺の東隣に位置しており、雷門や仲見世からも徒歩圏内です。
【アクセス】
- 東武スカイツリーライン: 浅草駅より徒歩約5分
- 東京メトロ銀座線: 浅草駅より徒歩約7分
- 都営地下鉄浅草線: 浅草駅より徒歩約7分
- つくばエクスプレス: 浅草駅より徒歩約10分
浅草「三社祭」の屋台出店情報
三社祭の期間中は、浅草寺の境内やその周辺、特に仲見世通りや馬道通りを中心に、多くの屋台が出店します。
主な屋台の出店エリアは以下のとおりです。
- 浅草寺本堂周辺
- 仲見世通りから浅草神社にかけて
- 西参道商店街
- 宝蔵門周辺
- 五重塔前
- 影向堂前
定番の焼きそばやお好み焼き、たこ焼きなどのグルメはもちろん、射的や金魚すくいといった縁日ならではの遊びの屋台、お面やアクセサリーなどを販売するお店など、バラエティ豊かな屋台が軒を連ねます。
特に、各町神輿連合渡御と本社神輿の渡御が行われる土曜日・日曜日は、多くの人で賑わい、活気あふれる雰囲気を楽しむことができます。お祭りの熱気とともに、様々な屋台グルメを堪能するのも三社祭の醍醐味の一つです。
ぜひ2025年の三社祭で、浅草の熱気と伝統、そして活気あふれる屋台の雰囲気を満喫してください。
浅草神社の基本情報
【所在地】東京都台東区浅草2-3-1
【電話】 03-3844-1575
【拝観時間】 常時 年中無休(参拝自由)
【ご祭神】
・檜前浜成(ひのくまのはまなり)
・檜前竹成(ひのくまのたけなり)
・土師真中知(はじのまなかち)
【ご利益】
・商売繁盛
・家内安全
・心願成就
・夫婦円満
・安産
・長寿など
【末社】
・被官稲荷神社
【公式サイト】 https://www.asakusajinja.jp/index.html
この記事のまとめ
三社祭は、浅草の地に根付く人々の熱意と伝統が息づく、まさに生きた祭りです。
豪華絢爛な御輿の巡行、威勢の良い担ぎ手の掛け声、そして下町情緒あふれる賑わいは、訪れる人々を時代を超えた祭りの熱狂へと誘います。
このブログを通して、三社祭の魅力が少しでも伝わったなら幸いです。ぜひ一度、浅草の街で三社祭の感動をあなたも体感してみてください。