東京都中央区日本橋人形町に鎮座する「松島神社(まつしまじんじゃ)」をご存じでしょうか?
ビルが立ち並ぶ都市の街並みにしっくりと溶け込むモダンな神社ですが、実は室町時代以前から続く大変由緒ある神社です。また、「日本橋七福神めぐり」の七福神の一社である「大黒天」を祀る神社としても親しまれています。
松島神社は、大黒天様のご利益や、珍しい14柱もの神様をお祀りしている強力なパワースポットとして、参拝客や御朱印巡りのファンから非常に高い注目を集めています。
「松島神社ではどんなご利益が授かれるの?」
「御朱印やお守りの種類、参拝時間やアクセス方法は?」
本記事では、そんな松島神社の由緒・歴史から、ご利益・口コミ、御朱印、お守り、見どころ、アクセス・駐車場情報まで分かりやすく徹底解説していきます!日本橋散策や七福神めぐりを計画されている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
松島神社の由緒・歴史

入江に浮かぶ「松の島」から始まった歴史

松島神社の創建年代は不詳ですが、鎌倉時代後期の元亨(げんこう)年間(1321年〜1324年)以前まで遡ると伝えられています。
当時、この一帯(現在の日本橋周辺)は海が入り込んだ「入江(東京湾の入り江)」であり、そこには松の木が鬱蒼(うっそう)と生い茂る小さな島が存在していました。その小島に下総国(現在の千葉県・茨城県付近)から移り住んだ柴田家(神社の創建者・社家の祖先)が、敷地内に神様をお祀りしたのが松島神社の始まりです。
安土桃山時代の天正13年(1585年)になると、近隣の住民からの強い要望を受け、柴田家は屋敷を開放して誰もが自由に参拝できるようにしました。松の木が生い茂る島にあったことから、いつしか「松島稲荷大明神」と呼ばれるようになり、人々の信仰を集めることとなります。
江戸時代初期に周辺の埋め立てが進み、正徳3年(1713年)に新しい町が誕生した際には、神社の社号にちなんで町名が「松島町」と名付けられました。
その後、明治7年(1874年)に「松島稲荷神社」として村社に列格され、大正5年(1916年)に現在の「松島神社」へと改称されました。関東大震災や太平洋戦争の戦災による社殿焼失を乗り越え、平成6年(1994年)には「松島ビル」の1階に社殿が一体化した現在の近代的なスタイルへと生まれ変わりました。
夜の航海を照らす「江戸の灯台」だった松島神社
かつて松島神社が小島にあった頃、柴田家では夜になると神社に明かり(燈火)を掲げていました。当時、入り江を行き交う船乗りたちは、暗闇の中に浮かび上がるこの神社の灯火を目印にして航海の安全を確認していたと伝えられています。松島神社は、まさに「江戸の天然の灯台」として船乗りたちの命を守っていたのです。
全国から集まった職人たちの「故郷の神様」が大集合した松島神社
松島神社には、一社の中に「14柱」もの神様が祀られているという大きな特徴があります。これは全国的に見ても非常に珍しいことです。
なぜこれほど多くの神様が祀られるようになったのでしょうか?
江戸時代、この周辺の埋め立て工事や武家屋敷の造営にあたり、日本全国から設計・建築のスペシャリストである職人たちが集められました。職人たちはそのままこの地に定住することになったのですが、「自分の故郷で信仰していた神様も一緒に祀ってほしい」と松島神社に頼んだそうです。
その願いを一つひとつ受け入れた結果、全国の神様が松島神社に大集合し、現在のような超・強力なパワースポットが誕生することになりました。
国学者・賀茂真淵が学問を説いた場所が松島神社
江戸時代の有名な国学者・歌人である賀茂真淵(かも の まぶち)は、元文2年(1737年)から一時期、松島稲荷神社に寄宿していました。この地で「神の道(神道)」を多くの人々に説いていたという記録が残っており、江戸の学問・文化の発展にもゆかりの深い場所として知られています。
松島神社のご祭神とご利益
松島神社には、メインのご祭神である「伊邪那岐神」をはじめ、全国から集まった職人たちの信仰によって合祀された神様など、合計14柱もの神様がお祀りされています。
- 伊邪那岐神(いざなぎのかみ)
ご利益:縁結び、夫婦円満、事業繁栄、国生みの神様 - 伊邪那美神(いざなみのかみ)
ご利益:良縁成就、夫婦和合、安産祈願 - 天照大御神(あまてらすおおみかみ)
ご利益:国家安泰、子孫繁栄、開運全般 - 大穴牟遅神(おおあなむちのかみ) ※大国主神(大黒天)
ご利益:縁結び、商売繁盛、五穀豊穣、金運上昇 - 日本武尊(やまとたけるのみこと)
ご利益:開運招福、出世開運、必勝祈願 - 猿田彦神(さるたひこのかみ)
ご利益:交通安全、道開きの神(人生の迷い解消) - 倉稲魂神(うかのみたまのかみ) ※お稲荷様
ご利益:商売繁盛、家内安全、五穀豊穣 - 菅原道真公(すがわら の みちざね こう)
ご利益:学業成就、合格祈願、学問上達 - 琴平大神(ことひらのおおかみ)
ご利益:航海安全、交通安全、商売繁盛 - 手力雄神(たじからおのかみ)
ご利益:スポーツ上達、力自慢、開運勝運 - 宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)
ご利益:産業振興、商売繁盛、豊作祈願 - 大山咋神(おおやまくいのかみ)
ご利益:家系繁栄、厄除け、方角除け - 聖徳太子(しょうとくたいし)
ご利益:職人上達、建築安全、学業成就 - 市楽権現(いちらくごんげん)
ご利益:市場繁栄、商売繁盛
ご利益・ご神徳
14柱もの神様が集結している松島神社は、まさに「万能のパワースポット」です。なかでも特に高いご利益・ご神徳が得られるとされる主なポイントは以下の通りです。
大黒天による「金運・商売繁盛」
日本橋七福神めぐりの一社として「大黒天(大穴牟遅神)」をお祀りしており、特に金運アップや商売繁盛を願う参拝者に親しまれています。
良縁を結ぶ「縁結び・夫婦円満」
日本最初の夫婦神である伊邪那岐神・伊邪那美神をはじめ、良縁を結ぶ大国主神が祀られていることから、恋愛成就や仕事の良縁にご利益があるとされています。
人生の道を開く「開運・交通安全」
導きの神である猿田彦神や航海安全の琴平大神のご神徳により、新しい挑戦や人生の転機における「道開き」や安全祈願に強力なパワーを発揮します。
仕事運・技芸上達
江戸時代に職人たちが信仰を寄せた歴史から、手力雄神や聖徳太子などの神様が職人仕事・クリエイティブ・技術の上達を後押ししてくれます。
松島神社の見どころ
ビル街の真ん中に位置する松島神社には、都会の神社ならではの珍しい建築様式や、歴史を感じられる行事など魅力的なポイントがあります。
オフィスビルと一体化した近代的な「ビルの中の社殿」

ビルの中にある松島神社
松島神社を訪れて誰もが最初に驚くのが、「オフィスビルの1階部分に神社がすっぽりと納まっている」という非常に珍しい景観です。
路地に面して朱色の立派な鳥居が構えられており、右側に手水舎があり、一歩足を踏み入れるとビルの中に社殿、狛犬が佇む、モダンかつ幻想的な空間が広がっています。
都市化が進む日本橋で土地を有効活用しつつ、鎌倉時代から続く聖地を守り継いできた「現代の神社の姿」を体感できる貴重なスポットです。

モダンな手水舎には消毒液も
松島神社の御朱印

本社の御朱印と大黒天様の御朱印
神社本来の御朱印と「日本橋七福神めぐり」の御朱印の2種類をいただくことができます。
初穂料は500円です。
御朱印の種類
松島神社の御朱印(初穂料 500円)

通常の御朱印
中央に力強い筆致で「松島神社」と書かれ、朱印が押された基本の御朱印です。「日本橋人形町」の文字があしらわれています。
大黒神(七福神)の御朱印(初穂料 500円)
日本橋七福神めぐりの一社である「大黒神(大國主神)」の御朱印です。打ち出の小槌のイラストや「日本橋七福神詣」の文字、宝船のスタンプが押されたおめでたいデザインとなっています。
授与所で案内されている通り、直書き(手書き)ではなく書き置き用紙(印刷)での授与となっています。御朱印帳への直接の記帳はありませんので、あらかじめ貼り付け用の御朱印帳を用意しておくとスムーズです。
松島神社の「良夢札」
松島神社では、話題の授与品「良夢札(りょうむふだ)」をはじめ、様々な願いに応じた魅力的なお守りが授与されています。
夢を正夢にする「良夢札(りょうむふだ)」

良い夢を見たことが正夢になる良夢札
松島神社を代表する特別な授与品が「良夢札(初穂料:1,000円)」です。

古来より年の初めの「甲子(きのえね)」の日に、大国主神(大黒様)を祀って枕の下に入れて眠ると、良い夢を見たことが正夢になると考えられており、現代でも受験、就職、お見合い、病気回復、商談成立など、人生の節目の願い事にご利益があるという信仰があります。
良夢札の使い方
- 札の中に入っている「お願いごと」の用紙に願い事を記入します。
- 札を枕の下に入れて眠ります。
- 良い夢が見られたら、その「良夢札」を松島神社へ持参すると、神社にて正夢になるようご祈願していただけます。

主なお守り一覧

松島御守(大:800円 / 小:350円)
松島神社の名を冠した基本のお守りです。西陣織風の上品で格式あるデザインが特徴です。
交通安全御守(大:700円 / 小:350円)
木札タイプや朱色の木箱タイプなどがあり、人生の道開きや日々の交通安全・道中安全を祈願します。
旅行御守(各600円)
旅先での安全や無事を願うお守りです。デザインの可愛いピンクとグレーの2色展開となっています。

学業御守 / 合格御守(各700円)
学業上達や受験合格・資格試験の合格を祈願するお守りです。
商売繁盛御守(700円)
ビジネスの成功や店舗の商売繁盛・千客万来を後押しするお守りです。
開運招福御守(700円)
大きな幸運や福を引き寄せる、金色の華やかなお守りです。
縁結び御守 / 子宝御守(各700円)
素敵なご縁を結ぶお守りや、子宝・安産を願う優しく可愛いお守りです。
家族御守 / 健康御守 / 長寿御守(各700円)
ご家族全体の平安、日々の健康、健やかな長寿を祈願するお守りです。
病気平癒御守 / 厄除御守(各700円)
病気の回復や厄除け・災難除けを願うお守りです。
ペット御守(700円)
カプセル状のチャームにお札が入っており、大切なペットの首輪やリードにつけられるお守りです。
松島神社の祭典・年間行事
松島神社では、年間を通じて人々の無病息災や商売繁盛、開運を願う様々な伝統行事や祭典が執り行われています。
1月1日〜7日:初詣・日本橋七福神めぐり
新年の訪れとともに、開運招福や金運上昇を願う多くの参拝者で賑わいます。「日本橋七福神」の一社として、大黒天様のご利益を授かりに巡拝する人々で境内が非常に華やぐ期間です。
2月3日:節分祭(せつぶんさい)
無病息災や厄除けを祈願し、豆まきなどの神事が執り行われます。
5月:例大祭(れいたいさい)
松島神社の最も重要な神事で、神徳に感謝を捧げる例祭が行われます。数年に一度の本祭では、町内に活気があふれます。
6月30日:夏越の大祓(なごしのおおはらえ)
半年の間に知らず知らずのうちに身についた罪や穢れ(けがれ)を祓い清め、残り半年の無病息災と平安を祈願する神事です。
11月:酉の市(とり の いち)
日本橋エリアで唯一開催される「人形町のおとりさま」として大変有名な行事です。11月の「酉の日」(一の酉、二の酉、年によっては三の酉)に執り行われ、境内には開運招福や商売繁盛を願う縁起熊手を売る露店が立ち並び、下町情緒あふれる威勢の良い掛け声で賑わいます。
12月31日:年越の大祓(としこしのおおはらえ)・除夜祭
1年間の罪や穢れを祓い清めて清々しい気持ちで新年を迎えるための神事が行われ、静かに一年を締めくくります。
特に正月期間の七福神めぐりと11月の酉の市は、松島神社の境内が最も活気に満ちあふれる注目の行事です。参拝の時期を迷われている方は、行事に合わせて訪れてみるのもおすすめです。
松島神社の基本情報
【社名】 松島神社(まつしまじんじゃ) ※別名:松島稲荷神社
【住所】 東京都中央区日本橋人形町2-21-15
【電話番号】 03-3669-0441
【参拝時間】 24時間可能(鳥居前から、または開門時は境内にて)
【祈祷受付時間】 9:00~17:00 ※ご祈祷は事前予約が必要な場合があります
【ご祭神】 伊邪那岐神、伊邪那美神、天照大御神、大穴牟遅神(大黒天)、日本武尊、猿田彦神、倉稲魂神、菅原道真公、琴平大神、手力雄神、宇迦之御魂神、大山咋神、聖徳太子、市楽権現(計14柱)
【境内社・末社】 なし(本殿内に14柱を合祀)
【ご利益】 金運上昇・商売繁盛(大黒天)、縁結び・夫婦円満、開運招福、交通安全、学業成就・合格祈願、技芸上達・建築安全、厄除け
【公式サイト】 なし(日本橋七福神会の案内ページ等をご参照ください)
松島神社のアクセス
松島神社は東京メトロや都営地下鉄の複数駅から徒歩圏内に位置しており、アクセスが非常に便利です。
- 水天宮前駅(東京メトロ半蔵門線)
7番出口より徒歩約3分 - 人形町駅(東京メトロ日比谷線・都営浅草線)
A3出口またはA1出口より徒歩約5分 - 浜町駅(都営新宿線)
A2出口より徒歩約6分
駐車場
専用駐車場:なし
参拝者用の専用駐車場はありません。
お車でアクセスされる際は、神社周辺(日本橋人形町・水天宮前エリア)のコインパーキングや公共駐車場をご利用ください。周辺道路は一方通行が多く人通りも多いため、できるだけ電車などの公共交通機関のご利用がおすすめです。
記事紹介まとめ
オフィスビルが立ち並ぶ日本橋人形町の街並みに溶け込む「松島神社」は、鎌倉時代から続く深い歴史を持ち、かつては江戸の海を照らす灯台の役割も果たしていたユニークな神社です。全国の職人たちの思いによって集まった14柱もの神様が手厚くお祀りされており、金運上昇や商売繁盛をはじめ、良縁成就や開運など多種多様なご利益を授かることができます。
また、夢を正夢に変えると話題の授与品「良夢札」や、人形町のおとりさまとして親しまれる酉の市など、松島神社ならではの授与品も揃っています。日本橋七福神めぐりの一社としても親しまれ、駅から徒歩数分とアクセスも抜群ですので、日本橋散策や開運祈願の際にはぜひ松島神社へ足を運んでみてくださいね。

