寒川神社は、神奈川県高座郡寒川町にある格式が高い神社です。
約1600年の歴史を持ち、全国唯一の八方除けの守護神として知られています。
古くは朝廷をはじめ、源頼朝、武田信玄、徳川家代々などから幅広い信仰を受けてきた神社です。
この記事では、2025年2月1日に参拝したときに見て感じたことなど、寒川神社の魅力、八方除け、由緒、ご祭神、ご利益や見どころなどを詳しく紹介していきます。
寒川神社の基本情報
【所在地】神奈川県高座郡寒川町宮山3916
【電話】 0467-75-0004
【開門時間】 6:00~日没(年中無休)
【祈祷所受付】8:00~17:00(年中無休)
【ご祭神】
・寒川比古命(さむかわひこのみこと)
・寒川比女命(さむかわひめのみこと)
【ご利益】
・八方除け
・厄除け
・開運招福
【公式サイト】 https://samukawajinjya.jp/
寒川神社へのアクセス・最寄り駅
最寄り駅1 宮山駅
JR相模線 宮山駅から徒歩5分
- JR東海道線「品川駅」・「小田原駅」から「茅ヶ崎駅」でJR相模線「宮山駅」下車
- 小田急線「新宿駅」・「横浜駅」から「海老名駅」でJR相模線「宮山駅」下車
最寄り駅2 寒川駅
一の鳥居から表参道を歩きたい方は寒川駅下車がおすすめ。
JR相模線 寒川駅から徒歩19分
- JR東海道線「品川駅」・「小田原駅」から「茅ヶ崎駅」でJR相模線「寒川駅」下車
- 小田急線「新宿駅」・「横浜駅」から「海老名駅」でJR相模線「寒川駅」下車
自動車利用の方
高速道路利用の場合
寒川北インターチェンジで降りて約5分です。
下のマップは、第1駐車場へのルートです。
寒川神社の駐車場
第1~第3駐車場まであります。
収容台数:約400台
料金:無料
時間帯にもよりますが、管理人が着いた土曜日の11時頃はほぼ満車状態でした。
満車で待ちたくない方は、100メートルくらい先にあるタイムズに駐車できます。
タイムズは駐車後24時間ごと1,200円です(タイムズとしてはリーズナブル)。

第1駐車場
寒川神社の由緒・歴史など
寒川神社の創建時期については、正確な記録が残っていないものの、雄略天皇の時代に奉幣が行われたことや、神亀四年に社殿が建立されたという伝承があり、少なくとも約1600年の歴史を持つと考えられています。
公的な記録として最初に確認できるのは、仁明天皇の承和十三年に神階従五位下を授与されたというもので、「續日本後紀」に記されています。
その後も神階の授与が続き、齋衡元年には従四位下、元慶八年には正四位下、延喜十六年には正四位上へと昇進しました。
また、「延喜式神名帳」によると、相模国の十三社の中で唯一の名神大社として位置づけられています。
全国で唯一の八方除けの守護神として、あらゆる悪事や災難を取り除き、福と運を引き寄せ、生活に無限の恵みをもたらすとされています。
寒川神社の八方除は、古くから日本中で名を馳せており、源頼朝や北條義時、武田信玄などの著名な武将や、徳川家の代々にわたる深い信仰を受けてきました。
武田信玄は永禄十二年(1569年)十月に小田原城を攻める際、寒川神社に立ち寄り、兜を奉納したとされています。
その後、信玄は神社の近くの芝原で兵を休めたという逸話が残っており、奉納された兜は現在も寒川神社に保存されており、神奈川県の重要美術品として認定されています。
江戸時代では、徳川家康が寒川神社に社領を寄進するなど、寒川神社を厚く信仰しました。
また、徳川家光は、寒川神社に参詣し、社殿の修復を行うなど、徳川幕府から厚い庇護を受け、その関係は江戸時代を通じて深まっていきました。
明治時代では、1873年(明治6年)に神奈川県の中社に列せられ、1907年(明治40年)には国幣中社に昇格しました。
この頃は国家神道の影響を強く受け、国家の安泰と繁栄を祈願する神社としての性格を強めました。
ところが、大正時代に入ると、再び八方除けの神社として、多くの人々の信仰を集めるようになりました。
関東大震災(1923年)からの復興に際して、八方除への信仰が人々の心の支えとなり、寒川神社は復興のシンボルの一つになりました。
第二次世界大戦中は、寒川神社は再び神道寄りの国家の安泰を祈祷する神社としての役割を担いましたが、戦後は、再び八方除の神社として、人々の生活の安定と幸福を祈祷する神社として、その信仰を集めました。
平成以降は、パワースポットとしても注目され、多くの参詣者が訪れる神社となっています。
現在の拝殿は、平成の御大典奉祝記念事業として竣工したものです。
寒川神社のご祭神
ご祭神である寒川比古命(さむかわひこのみこと)と寒川比女命(さむかわひめのみこと)は、相模国この地域を開拓し、人々に衣食住の基礎を教えたと伝えられています。
このことから、寒川神社は「関東地方文化の生みの親神様」として崇められています。
寒川比古命(さむかわひこのみこと)
神格:寒川比古命は、この地方の開拓神、産業の神として信仰されています。
ご利益:五穀豊穣、殖産興業、開運招福、商売繁盛、厄除け、交通安全
伝承:寒川比古命は、相模国を開拓し、人々に農耕や漁業などの技術を教えたと伝えられています。
また、大地の恵みをもたらす神として、人々に深く信仰されています。
寒川比女命(さむかわひめのみこと)
神格:寒川比女命は、寒川比古命の妃神で、女性の守り神として信仰されています。
ご利益:安産祈願、子育て、縁結び、夫婦円満、女性の健康・美
伝承: 寒川比女命は、女性を守り、幸せをもたらす神として、特に女性からの信仰を集めています。
寒川神社は「八方除け」の守護神

八方除の方位盤と渾天儀
寒川神社は、全国で唯一の八方除けの守護神として古くから多くの人々に信仰されてきました。
八方という言葉は、すべての方角を指し、あらゆる厄災から守ってくれる神の力を意味しています。
約1600年の歴史を持つ寒川神社には、源頼朝や武田信玄、徳川家などの著名な人物たちが深い信仰を寄せていたことが文献に記されています。
八方除けは、地相や家相、方位、日柄などに起因するあらゆる災難や厄を取り除き、家業の繁栄や幸福をもたらす、寒川大明神の特別な御神徳です。
困難を乗り越え、幸運を引き寄せる力を持っているため、大きな困難は小さな困難に変わり、小さな困難は無事に過ごせるようになり、良い出来事はさらに大きくなるとされています。
寒川神社の八方除けは、私たちの前に進むことへの不安を消し、心が晴れやかになり、毎日を楽しく過ごせるようにしてくれるといわれています。
現在、寒川神社には全国各地から多くの崇敬者が訪れています。
北は北海道から南は沖縄まで、さまざまな地域の人々が八方除けの御祈祷を受けるために集まり、その無限の恩恵を求めています。神社の存在は、今もなお多くの人々にとって心の支えとなっています。
寒川神社のご利益
寒川神社は、全国唯一の八方除の守護神として知られています。
ご利益・厄除けとして特に有名なのは「八方除」です。
八方除の八方とは、文字通り以下の「8つの方角」を意味し、それぞれの方角にご利益と厄除けがあります。
八方における様々な災い、例えば地相や家相、方位、日柄、厄年などに起因するすべての悪事や災難を取り除くというご利益があります。
東(卯)
ご利益: 太陽が昇る方角であり、新しい始まりや発展を象徴します。
厄除け: 停滞を打破し、物事を良い方向へ導く力があるとされます。
東南(巽)
ご利益: 風の通り道であり、良縁や情報をもたらすとされます。
厄除け: 人間関係のトラブルを避け、良い出会いを引き寄せるとされます。
南(午)
ご利益: 太陽が最も高く昇る方角であり、名誉や成功を象徴します。
厄除け: 競争に勝ち、名誉や地位を得る力があるとされます。
西南(坤)
ご利益: 大地を象徴し、安定や豊穣をもたらすとされます。
厄除け: 家庭の安定や健康を守り、財運を招くとされます。
西(酉)
ご利益: 太陽が沈む方角であり、実りや収穫を象徴します。
厄除け: 努力が実り、成功や満足を得る力があるとされます。
西北(乾)
ご利益: 天を象徴し、地位や権力を表すとされます。
厄除け: 出世や昇進を助け、指導力を発揮するとされます。
北(子)
ご利益: 水を象徴し、生命の源や知恵を表すとされます。
厄除け: 心身の健康を守り、知恵や才能を発揮するとされます。
東北(艮)
ご利益: 山を象徴し、変化や転換期を表すとされます。
厄除け: 変化を乗り越え、新たな道を開く力があるとされます。
寒川神社の見どころ
寒川神社はものすごく見どころが満載です。
今回は一の鳥居から社殿までの長い距離を歩いてみました。
一の鳥居
一の鳥居は、境内までの参道の入り口にあります。
寛政8年(1796年)に寒川町田端村(現在の田端)の木内治右衛門が建立したと伝えられています。
なんと、一の鳥居から三の鳥居までが850m、社殿まではざっと1kmの道程です。
一直線の参道を歩いていきましょう、二の鳥居まで約650mもあります。

一の鳥居から続く参道は長い
二の鳥居
高さ16m、鉄筋コンクリート造りで、神奈川県内で最も大きな鳥居がこの二の鳥居です。
三の鳥居

境内入口の三の鳥居と神池橋
右側には社号標「相模国一之宮 国幣中社寒川神社」があり、新池橋が架かっており、その先に三の鳥居が佇んでいます。
三の鳥居は、平成2年(1990年)に紀元2650年奉祝記念事業として立て直された、檜造りの明神系の八幡鳥居です。

神池
三の鳥居の横には噴水がある「神池」という池があります。
奥に「石橋(しゃっきょう)」という彫刻が安置されています。
このブロンズの彫刻は、昭和45年(1970年)から、毎年開催されている「相模薪能」の20回目を記念して、寒川町在住であった彫刻家、原田純成氏が制作したものです。

参道の途中
三の鳥居をくぐると長い参道が続きます。

江戸時代から大正時代の一の鳥居
参道途中の右側に、安政2年(1855年)の江戸大地震、大正12年(1923年)の関東大震災で倒壊した一の鳥居が置かれています。
高さ一丈一尺(約3.3m)、現在の一の鳥居よりもだいぶ小さなものでした。
上は平成天皇陛下御即位三十周年記念植樹の山桜と赤松です、当時の天皇陛下がこの2本を植樹したものです。
さらに先には、平成二十二年(2010年)に「天皇皇后両陛下 幣饌料御下賜記念植樹」で植えられた辛夷(こぶし)と櫟(くぬぎ)の2本が立っています。
上は平成二十年(2008年)の天皇陛下御即位二十年記念植樹にて植えられた黒松と梛(なぎ)が2本並んでいます。
松は寿命が長く、梛(なぎ)は古来からその葉に神霊が宿るとされて縁起の良い木として崇められているので植樹されました。
神門(しんもん)

迎春「ねぶた」が取り付けられた神門
寒川神社の迎春ねぶたは、毎年12月20日頃に飾り付けられて節分の2月3日まで見ることができます。
令和7年(2025年)のねぶたは「弁財天と幸運の蛇」です。
神門には方位を表す干支がついています。
卯(東)・酉(西)・牛(南)・子(北)の方位、つまり「うさぎ・鳥・牛・ねずみ」の平らな彫刻が彫られています、ぜひ見上げて探してみてください。
神門の狛犬
上が阿形の狛犬、下が吽形の大型の狛犬です、高さはそれぞれ2m近くはありそうです。
凛々しく堂々とした風格があり、神社を邪気などから守り、参拝者を厳かに迎え入れてくれます。
神馬舎(しんめしゃ)
神の乗り物である馬を収める場所です。
昭和天皇の在位五十年を記念して完成されました。平野富山氏による猿に引かれた神馬の彫刻が展示されており、横には絵馬を掛けるためのスペースがあります。
神馬には魔除けの力があるとされており、神の使いとして、人々の願いを御祭神に届けたりする役割があるとされています。
拝殿

斜めから見た拝殿も華やか
現在の拝殿は、平成の御大典奉祝記念事業として平成9年10月に竣工したものです。
総檜造り、一度に216名が着席して参拝・祈祷できる広さがあります。
拝殿側から本殿を見ることはできませんが、建築様式は入母屋造りで、拝殿~幣殿~本殿が繋がっている流権現造り(ながれごんげんづくり)です。
御神木(ごしんぼく)

御神木は寄り添う「夫婦杉」
御神木は、拝殿の左脇にある2本の大きな杉の木です。
この御神木は、御祭神である寒川比古命(さむかわひこのみこと)と寒川比女命(さむかわひめのみこと)が宿ると言い伝えられています。
2本の杉の木は寄り添うように立っており、「夫婦杉」と呼ばれています。
夫婦杉は、縁結びのご利益があるとされ、多くの参拝者が訪れて願い事をします。
方位盤と渾天儀(こんてんぎ)
方位盤と渾天儀は、拝殿の右脇にあります。
方位盤は四正(東・西・南・北)と四隅(北東・東南・南西・西北)の八方位と中央の九星・十干十二支を、八方には易の八卦(はっけ)を配当しています。
一般的な気学方位盤とは異なり、八方位を均等に配置し正八角形のデザインでわかりやすく彫られています。
渾天儀は、龍が天を支えるという故事にちなんで四体の龍で支えられています。
渾天儀は、天体の位置や星の運行を観測するための器具であり、特に星の運行は、人々に方角を教えてくれるだけでなく、天体の運行を正確に知ることで、人々の生活や行動を吉凶に基づいて導くために用いられました。
寒川神社の渾天儀は、単なる天体観測器具ではなく、八方除の信仰を象徴する存在として、人々の生活や運命に深く関わってきたといわれています。
寒川神社の御朱印
通常の御朱印

標準の御朱印
御朱印の授与場所は、社務所とご祈祷受付所の二か所です。
この御朱印の初穂料は決められていません、お気持ちを納められると拝受できます。
右上に社紋と八方除、中央には社名と社印、その下にはハマゴウを配しています。
ハマゴウは砂浜などに生息する海浜植物で、毎年7月海の日に開催される寒川神社の浜降祭の神輿渡御において、神輿を浜に置く際のしとね(御座)として伝承されている植物です。

御朱印に描かれているハマゴウの花
初詣(期間限定)の御朱印
期間限定の初詣の御朱印です。2025年も2月になりましたが、この御朱印は2月3日の節分の日まで頒布される予定です。
御朱印に「はじまりはここから」とある通り、今回は月の初日にあたり、新たな気持ちで無事に一か月を過ごせるようにとお参りをさせていただきました、寒川神社様、ありがとうございました。
寒川神社のお守り・お札
お守りやお札の授与所は、週末や祝祭日は非常に混み合います。
お昼前でしたが、破魔矢など類はほとんど終了していましたが、お守りとお札類は授与されていました。
お守りは、大祓お守り、八方除け幸運を呼ぶお守り、八方除け守り、八方除けこどもお守り、十二支お守り、厄難除氣お守り、安産お守り、合格お守り、学業成就お守り、健康招徳お守りなど。
お札は、神宮大麻、神社大麻、八方除大麻、火難除大麻、盗難除大麻があります。
今回の参拝では、「厄難除氣守(お守り)」と「八方除大麻(お札)」をいただきました。
寒川神社のお守り

厄難除氣守り(社名側)
厄難除氣お守りの初穂料は各500円です。
風神様にお守りいただけるもので、下の風神様と「氣」がセットになっているのが気に入りました。
良い氣を吹き寄せていただきたい、悪い氣は吹き飛ばしてほしい、そんな思いで選びました。

厄難除氣守(風神と氣)
寒川神社のお札
下は、八方除けのお札「八方除大麻」です、初穂料は1,000円です。
全国唯一の八方除けの守護神ならではのお札ならこれだと思って選びました。
八方除けのお札は、神棚や仏壇がない場合は、寝室やいつもいる部屋の棚や机の上など、目線より高い綺麗な場所に、置く方角は南向き、もしくは東向きが良いとされています。
寒川神社の祭事・年間行事
寒川神社では、年間を通じて多彩な祭りや行事が開催されています。主な祭りとその内容は以下の通りです。
歳旦祭(1月1日) | 新年を迎えたことを報告し、国の平和と国民の繁栄を願う祭りです。 |
元始祭(1月3日) | 天皇家の祖先神や国の発展に寄与した人々を祀る祭りです。 |
節分祭(2月3日) | 節分の日に行われ、豆まきや厄除けの儀式が行われます。 |
紀元節(2月11日) | 日本の建国を祝う祭りです。 |
天長節(4月29日) | 天皇陛下の誕生日を祝う祭りです。 |
夏越大祓式(6月30日) | 半年間の罪や穢れを清める神事です。 |
例大祭(9月20日) | 寒川神社で最も重要な祭りで、神輿の渡御やさまざまな神事が行われます。 |
七五三詣(11月15日) | 子供たちの成長を祝うお参りです。 |
新嘗祭(11月23日) | 新穀の収穫に感謝する祭りです。 |
煤払祭(12月14日) | 一年の汚れを清める祭りです。 |
除夜祭(12月31日) | 大晦日に行われる祭りで、年の締めくくりと新年の幸運を祈ります。 |
さらに、毎月1日には月次祭、毎月15日には八方除祭など、定期的な祭りや行事も行われています。
寒川神社のライブカメラ
人形奉斎殿あたりからの外庭(社務所周辺)と内庭(社殿周辺)の様子をライブカメラで紹介しています。
ライブカメラ配信をご覧いただくには、以下の記事をクリック、または、上記画像をクリックしてください。
記事まとめ
今回は、寒川神社の魅力についてご紹介しました。
相模国一之宮として、1600年以上の歴史を持つ寒川神社は、全国唯一の八方除の守護神として、多くの方々に信仰されてきました。
そのご利益は、あらゆる災いを祓い、福を招くと言われています。
境内には、本殿や拝殿、御神木、神馬舎などの見どころも多く、参拝者を飽きさせません。
寒川神社は、その歴史とご利益、そして見どころの多さから、訪れる人々を魅了し続けています。
ぜひ一度、寒川神社に足を運んで、その魅力を体感してみてください。
皆様の生活が、より豊かで幸せになることを心より願っております。
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