【書籍紹介】武蔵府中 くらやみ祭り 国府祭から都市祭礼へ

武蔵府中 くらやみ祭りの本 神社のお祭り

国府祭を起源とする1000年以上の歴史がある「くらやみ祭り」。
毎年4月30日から5月6日まで多種多様の神事が執り行われる例大祭です。

本書「武蔵府中 くらやみ祭り 国府祭から都市祭礼へ」は、くらやみ祭りがどんな祭りで、何をするお祭りなのか、その歴史、くらやみ祭りを支える人々たちについてわかりやすく解説しています。

「くらやみ祭り 国府祭から都市祭礼へ」の内容を紹介

武蔵府中 くらやみ祭りの本

くらやみ祭りをわかりやすく解説する貴重な一冊

本書がどんな書籍なのかを感じていただくために、参考までに本書の序章を以下に紹介いたします。

「くらやみ祭り」はとんでもなく大きな祭りだと思う。参加者・見物人の数(公式発表70万人)や期間(7日間)でけの話ではない。
祭の起源は古く、地域の歴史に与えてきた影響も重大である。府中の街の文化を形づくってきたと言っても過言ではない。祭りは日本中どこにでもあるものだが、府中の人たちの生活文化に占める祭の比重はかなり大きい。祭りのことだから好き嫌いもあるし、参加したくとも近づけないと思っている人も多いいだろう。
しかしながら、多くの市民がこの巨大な祭りとの距離を推し測りながら、伝統ある街の魅力を探ろうとしていると言えるかもしれない。

「くらやみ祭り」は大國魂神社の例大祭である。武蔵総社の由緒を持ち、今も府中の市街地の真ん中に鎮座するこの社の祭礼は、毎年五月五日夜の神輿渡御を中心に、四月三十日から五月六日まで行われる。
「くらやみ祭り」の名は、神輿が夜間に出ることによって近代以降に使われるようになった通称で、神社や氏子の間では単に「大祭」と呼ぶことが多い。
神マツリが深夜に行われるのは、日本の古い祭のスタイルだが、「くらやみ祭り」はこの伝統を継承しているのである。期間中には神秘的な古風な神事の数々が散りばめられ、山車や万灯など華やかな行事も多く催される。五月五日夜のクライマックスに向けて次第に盛り上がっていくスケジューリングも見事である。この祭りは現在までに国内有数の都市例祭に発展した。

「くらやみ祭り」は大きすぎて全体を見るのは難しいと言われる。様々な行事が場所を違えて同時並行で行われ、重要な神事は秘されていることもある。しかし、祭の全体像や意義、祭りがたどった長い歴史に思いを馳せることは、伝統文化としての価値を認め、文化遺産として継承しながら府中の街の将来を考えていくうえでぜひとも必要なことであろう。

府中の郷土の森博物館では、地域の文化歴史を探るキーワードとして、<国府><宿場町><祭>の三つのテーマを取り上げてきたが、博物館活動を通じて、祭に関わる多くの方々に学びながら考えてきた最新の「くらやみ祭」像を本書では示してみたい。

このような内容から始まり、以下の目次内容で展開していきます。

「くらやみ祭り 国府祭から都市祭礼へ」の目次

武蔵府中 くらやみ祭りの本

中世~現代までの歴史をまとめている

本書の内容、目次は以下の通りです。

序章

  1. くらやみ祭りの今
    祭事の流れ概要(潮盛り~クライマックスまで)
    くらやみ祭りの次第
  2. くらやみ祭りの歴史
    (1)大國魂神社の祭礼:中世の面影
    国府と総社・六所宮/六所宮の祭神/中世の祭礼(五月会)/国府祭・総社祭/潮盛りと品川の湊/競馬式と牧/古代国庁跡と宮乃咩神社/坪宮と武蔵国造/武士と流鏑馬/御霊信仰と神輿/宮乃咩神社の七月祭礼
    (2)近世の都市祭礼:宿場町の賑わい
    宿場町と六所宮/江戸の都市祭礼と府中/祭礼を担う人々/遊歴雑記とくらやみ祭り/江戸名所図会の世界/御田植祭/外国人の見たくらやみ祭り/神主・猿渡盛章と容盛/小野神社の神輿
    (3)新たな都市祭礼
    明治維新のインパクト/神輿の移管と講中の形成/記念大祭と戦争の影響/戦後の転換期-神輿渡御中止/太鼓参入と巨大化/安全かつ盛大な祭りへ
  3. くらやみ祭り支える人々
    町内と講中/町内と構中の交流/神輿・太鼓の町内巡行/祭期間中の会所

結び
くらやみ祭り歴史年表/文献案内

「くらやみ祭り 国府祭から都市祭礼へ」を入手する方法

本書は府中観光センターで購入できます。

◆販売場所:府中市観光情報センター
〒183-0023 東京都府中市宮町3丁目1
月曜日~日曜日  9:00~17:00
042-302-2000
◆武蔵国総社の大國魂神社の例大祭である「くらやみ祭り」をとにかくわかりやすく解説している一冊。
中世~近世~明治以降の各時代における例大祭とくらやみ祭りを詳しく説明、この一冊でくらやみ祭りの全貌を理解できる貴重な一冊。
◆本書は2004年10月刊行の「武蔵府中くらやみ祭り」を全面改訂した新版。
◆販売価格:500円
◆編集・発行:2018年3月25日
◆企画・執筆:府中市郷土の森博物館運営グループ
◆ページ数:90ページ
◆(縦)21センチ (横)15センチ (厚み)1センチ弱

くらやみ祭りにご興味をお持ちの方、ぜひ、手にしてみてください。

くらやみ祭りの詳細を以下の記事にまとめています、ぜひお読みください。

【大國魂神社 くらやみ祭り】起源・由来・歴史年表・見どころなど
大國魂神社のくらやみ祭り(暗闇祭り)は、毎年4月30日から5月6日までの期間に東京都府中市内で行われている例大祭です。大國魂神社のくらやみ祭りは、武蔵国の「国府祭」を起源としており、東京都の指定無形民俗文化財にも認定されています。