田無神社は、東京都西東京市に鎮座する歴史がある神社です。
SNSなどで願いが叶うと話題となっている田無神社は、五行思想に基づいた五龍神(金龍、青龍、赤龍、白龍、黒龍)が鎮座しており、「やばい」くらい願いが叶うといわれている人気沸騰のパワースポットです。
この記事では、田無神社の由緒・歴史、五行思想と五龍神のパワーとの関係は何なのか?やばいほどパワーが強いご利益の理由、見どころなどを、実際に訪れてみた体験談とともに紹介します。
田無神社の由緒・歴史など
東京・西東京市に鎮座する田無神社は、鎌倉時代から続く歴史ある神社です。
田無神社の創建は、鎌倉時代の正応年間(1288年~1293年)にまで遡ります。
当初は、現在の鎮座地より北方の✳谷戸の宮山に鎮座し、古くは「尉殿大権現(じょうどのだいごんげん)」と呼ばれていました。
✳谷戸の宮山は、現在のひばりヶ丘駅の南側の西東京市谷戸町周辺です、現在の鎮座地は谷戸町の南側にあります。
ご祭神は、雨と水と風を司る龍神様(級津彦命・級戸辺命)です。
江戸時代になると、青梅街道の整備に伴い、1670年(寛文10年)に現在の地に遷座しました。この際、移ってきた御社殿は、今でも境内に野分初稲荷として残されています。
明治時代には、近隣の熊野神社・八幡神社等を合祀し、「田無神社」と改称されました。
さらに、明治43年(1910年)に町内の5つの小社を合祀し、昭和24年(1949年)に大阪市阿倍野の大鳥神社より大鳥大神が分祀され、現在の形となりました。
田無神社には「五龍神信仰」というユニークな特徴があります。
ご祭神の級津彦命(しなつひこのみこと)・級戸辺命(しなとべのみこと)を金龍とされ、境内には黒龍、白龍、赤龍、青龍が祀られています。
それぞれの龍神様には、異なる意味と力が宿り、人々の様々な願いを叶えてくれるとされています。
願いが叶った体験談をSNSやウェブサイトなどにアップする人たちが多く、五龍神が人々の願いをくまなく叶えてくれるパワースポットとして有名です。
仕事運や金運が上昇したり、良縁に恵まれた、結婚できた、復縁できたなど多くの願いが叶うことから人々から人気を集めています。
田無神社のご祭神
主祭神
- 級津彦命(しなつひこのみこと)
- 級戸辺命(しなとべのみこと)
- 大国主命(おおくにぬしのみこと)
創建当初から級津彦命と級戸辺命が祀られています。
この二柱は、龍田大社や伊勢神宮の別宮である風日祈宮、外宮の別宮である風宮などで風を司る神として祀られており、元寇の際には神風を吹かせ、日本の国土を守ってくださった霊験あらたかな神様です。
級戸辺命は、国造りの神様である伊弉諾(いざなぎ)と伊弉冉(いざなみ)の子です。
「五行信仰」に基づき、本殿に級津彦命と級戸辺命を金龍として祀り、境内各所には黒龍、白龍、赤龍、青龍を配祀し、五龍神として信仰されています。
また、大国主命は出雲大社の祭神であり、日本各地の神社で祀られています。
「古事記」によると、大国主命は素戔嗚尊の娘である須勢理比売命と結婚し、海を越えてやってきた少彦名命と共に日本の開拓に尽力し、葦原中国(日本の別名)の主となりました。
その後、天照大御神の命を受けて降臨した武御雷神に国を譲り、幽界に隠れました。多くのご利益を持つ神様です。
やばいくらいご利益の効果がある
五行信仰と五龍神信仰によるご利益がやばい
五行信仰と田無神社の五龍神信仰は、密接に結びついています。
田無神社のようなパワースポットにおいて、五行信仰と五龍神信仰の関係がご利益とそのパワーの源となっていることを理解しておきましょう。
五行思想とは
五行思想は、古代中国で生まれた自然哲学で、宇宙万物は木・火・土・金・水の五つの要素(五行)で構成されており、それらが互いに影響し合いながら動的なバランスを保っているという考え方です。
木: 生長、発展を象徴
火: 熱、エネルギー、情熱を象徴
土: 安定、中心、大地を象徴
金: 金属、収縮、変化を象徴
水: 流動性、柔軟性、知恵を象徴
五龍神の役割と象徴がご利益の源
五龍神は、それぞれの龍神が五行のいずれかを司り、宇宙のバランスを保つ役割を担っています。
田無神社では、以下の様に対応しています。
金龍: 金のエネルギーを司り、中央に位置し、他の龍神を統べる役割を担っている。
青龍: 木のエネルギーを司り、東方を守り、成長や発展を象徴している。
赤龍: 火のエネルギーを司り、南方を守り、情熱や活力を象徴している。
白龍: 金のエネルギーを司り、西方を守り、清浄や平和を象徴している。
黒龍: 水のエネルギーを司り、北方を守り、知恵や変化を象徴している。
といった五行と五龍神の組み合わせが、やばいくらいの力強いご利益の源となっています。
田無神社のご利益・ご神徳
田無神社では五龍神信仰が深く根付いており、それぞれの願い事に応じた龍神様にお祈りします。
- 総合的な運気向上: 金龍に祈る
- 仕事運アップ: 青龍(木)に祈る
- 恋愛成就: 赤龍(火)に祈る
- 健康祈願: 白龍(金)に祈る
- 知恵を授かる: 黒龍(水)に祈る
各龍神がお与えくださる主なご利益は以下のとおりです。
- 金龍神(中央): 運気向上・幸福招来
全体的な運気を高めたい方
幸福な日々を送りたい方 - 青龍神(東方): 技芸向上・就業成就
仕事のスキルアップをしたい方
就職活動中の学生さん
新しい仕事に挑戦したい方 - 赤龍神(南方): 勝運向上・成績向上
試験に合格したい方
スポーツで勝利したい方
競争に勝ちたい方 - 白龍神(西方): 金運向上・良縁成就
財産を増やしたい方
良いパートナーと出会いたい方
結婚を願う方、復縁を願う方 - 黒龍神(北方): 健康増進・家内安全
健康で長生きしたい方
家族の幸せを願う方
住まいを守りたい方
カッコ内の方位は、各龍神が守っている方角であり、各龍神は、本殿の金龍を中心にして境内の各方角に鎮座しています。
田無神社、境内の回り方
田無神社では、拝殿・本殿など、境内摂社・末社や五龍神を特定の順番で参拝する回り方はないため自由にご参拝できます。
ただし、参拝順序の一例としては、まず拝殿・本殿で「金龍」にご挨拶してから、青龍、黒龍、白龍、赤龍と巡り、それから摂社・末社を参拝するのが通例です。
ここからは、上記の一般的な回り方に従って各龍神とその関連から紹介し、それから境内の摂社・末社や他の見どころを案内していきます。
拝殿(金龍神)
拝殿は、明治8年(1875年)に地元の大工たちによって建てられたものです。
江戸時代の優れた建築技術を示している貴重な建物であり、当時の大工たちが高い技術を持っていたことが表れています。
拝殿には金龍神が祀られており、金龍神の木像が鎮座しています(上の画像)。
参拝時に御賽銭箱の前に普通に立つと龍神様のお顔は見えませんが、少々しゃがめばむと拝むことができます。
拝殿の内外には多彩な彫刻が施されており、本殿と共に東京都の指定文化財として登録されています。
さらに、平成30年には東京都から「特に景観上重要な歴史的建築物等」として選ばれ、その価値が認められています。
本殿(金龍神)
本殿はコンクリート造の覆殿(おおいでん)の中にあるため、上の画像のとおり、外から本殿を見ることはできません。
最初の覆殿は昭和42年に完成し、当初は木造でしたが、昭和47年に現在のコンクリート造の覆殿が完成しました。
本殿は総欅造りの木造建築
上の画像は、本殿が覆殿(おおいでん)に囲われる前の昭和42年頃の貴重な画像です。
本殿は、素木の総欅造、入母屋造りの銅板葺きで、唐破風、千鳥破風をあしらった江戸後期の神社様式の社殿です。
田無神社によると、覆殿によって雨風と日射から本殿が守られてきた結果、江戸時代に造られた当時の姿のまま現存しているとのことです。
本殿には、以下の三柱が主祭神として祀られています。
- 級津彦命(しなつひこのみこと)
- 級戸辺命(しなとべのみこと)
- 大国主命(おおくにぬしのみこと)
以下の神様も祀られています。
- 八衢比古神(ヤチマタヒコノカミ)
- 八衢比売神(ヤチマタヒメノカミ)
- 須佐之男命(スサノオノミコト)
- 倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)
- 應神天皇(オウジンテンノウ)、
- 猿田彦命(サルタヒコノミコト)
そして、本殿には金龍神が祀られています。
金龍神
守護方位: 中央
ご利益: 運気向上、幸福招来
特徴: 五龍神の中心的な存在で、他の龍神を統べる力を持っています。全体的な運気を高め、幸福へと導くといわれています。
青龍神
守護方位: 東方
ご利益: 技芸向上、就業成就
特徴: 東方を守護し、発展と成長を司る龍神です。新しいことを始めたい時や、仕事で成功したい時などに力を貸してくれます。
黒龍神
黒龍神
守護方位: 北方
ご利益: 健康長寿、厄除け
特徴: 北方を守護し、安定と強靭さを授ける龍神です。健康を守り、災いを防いでくれるといわれています。
白龍神
白龍神
守護方位: 西方
ご利益: 金運向上、良縁成就
特徴: 西方を守護し、清浄と平和をもたらす龍神です。金運アップや、良縁を求める人々から特に信仰を集めています。
白龍の水(手水舎)
下の動画で白龍神の吐水口からのお水の音を聴いてみてください。
田無神社の白龍の水は、境内にある手水舎の水のことです。境内地中深くから汲み上げられた御神水とされており、白龍神が司る水として信仰を集めています。
赤龍神
赤龍神
守護方位: 南方
ご利益: 勝運向上、成績向上
特徴: 南方を守護し、情熱と活力を与える龍神です。勝負事の勝利や、試験の合格など、目標達成をサポートしてくれます。
境内の彫刻
参拝した際に実際に見ることができる主な彫刻を以下で紹介します。
拝殿外面の彫刻
拝殿の彫刻は地元の匠人が手掛けたものですが、作風は江戸時代の彫刻の名工「嶋村俊表(しまむら しゅんこう」を意識して造営されたものといわれています。
拝殿正面や向拝廻りの精細かつ表情豊かな彫刻を目にすることができます。
鳳凰と龍の彫刻
虎の彫刻
翼を持つ龍
鳥の彫刻
脇障子 左側の彫刻
脇障子 右側の彫刻
境内の狛犬
一の鳥居、二の鳥居から拝殿までには二対の狛犬が置かれており、田無神社を邪気、悪い魔などから守って下さっています。
下の画像、一の鳥居の先に置かれている子持ちの狛犬は、威風堂々とした頼り甲斐のある姿です。
下の画像、二の鳥居と拝殿との間に置かれている狛犬は、低い姿勢を保ち、近づいてくる邪気を威嚇し、すぐにでも飛び掛かれる猛々しい姿をしています。
田無神社の御朱印、絵馬
としはじめ御朱印
としはじめ書体の御朱印は、通常、正月三が日限定のはずですが1月10日過ぎでも授与されていました。
五龍神 御朱印
五龍神御朱印、左上から金龍神、赤龍神、青龍神、白龍神、黒龍神が描かれています。
黒龍神 御朱印
冬限定の御朱印は12月・1月・2月のみ授与されています。
北風厳しい季節にちなんで北方位を守る黒龍神が描かれているのでしょう。
御朱印を上記のフォルダーに収めてくださいました。
一楽萬開 一番札
一楽萬開の札を受け取ることで、龍神様から最初の楽を授かるとされています。この最初の楽は「一楽」と呼ばれ、一つの楽が次の楽を引き寄せ、次々と楽が集まることで「萬の道」、つまり人生が開かれることを意味します。
楽とは、心や身体が楽しくなることであり、生活や心身が豊かで健康になることを指します。
令和七年の吉方は「西」とのことです。
参拝から戻り次第、我が家の西部屋にこの一番札を置きました。
他の見どころレビュー
撫龍(なでりゅう)
撫龍は、平成26年9月に東参道を整備した際に建立されました。
毎月最初の辰の日は「初辰」といい「発達」につながることから商売繁盛、運気隆昌に縁起が良い日とされており、初辰に撫龍を撫でると縁起が良いとされています。
龍の玉には、意のままに願いを叶える力を持つ玉(如意宝珠)という意味があり、撫龍を撫でると願い事が叶いやすいと考えられています。
御神木
大銀杏の御神木(金龍神)は拝殿の左隣にあります。
樹齢約170年、天保13年(1842年)から嘉永3年に植樹されたといわれており、田無の地域で最大級の巨木であり、西東京市の天然記念物に指定されています。
田無神社の公式サイト情報によると「毎年春にこの金龍神のご神木が葉をつけると、境内の他の銀杏も葉をつけ始め、秋に落葉を始めるとほかの銀杏も落葉を始めます。ご神木の中で唯一の雄株であり実をつけません。」とあります。
境内には大銀杏の御神木(金龍神)以外に4本の御神木があります。手前から青龍木、赤龍木、白龍木、黒龍木です。
お願いごとに合った龍神様にお祈りしたら御神木にも願い掛けをしてみましょう。
田無神社の祭事・年間行事
田無神社では、一年を通じて様々な神事が行われています。
【1月】
歳旦祭
成人奉告祭
【2月】
節分祭 【3日午後】
祈年祭 【17日午前10時】
初午祭 【2月最初の午の日、午前10時】
【3月】
現在、予定されている行事はありません。
【4月】
五穀豊穣春祭・雹祭 【29日午前10時】
【5月】
鯉のぼり
【6月】
三社祭 【17日午前10時】
夏越の大祓(おおはらえ) 【30日午後3時】
御田植祭
【7月】
七夕てるてるトンネル
七夕茶会 【主催・西東京市茶道華道文化協会】
津島神社祭 【第二日曜午後2時】
【8月】
慰霊祭 【15日正午】
お人形感謝祭
【9月】
龍神祭
阿波洲神社例大祭
【10月】
宵宮祭・例大祭 【第二日曜日とその前日】
尉殿神社例大祭
下保谷天神社例大祭
【11月】
七五三詣
新嘗祭
ご神木・大銀杏の紅葉
【12月】
師走の大祓 【31日午後3時】
除夜祭 【31日午後11時】
田無神社の基本情報
【所在地】東京都西東京市田無町3-7-4
【マップ】こちら
【電話】042-461-4442
【FAX】042-467-9236
【拝観時間】 9時~16時
【定休日】火曜日・金曜日
【駐車場】収容台数約60台
【ご祭神・神様】
・主祭神:級津彦命、級戸辺命、大国主命
・五龍神(金龍神・青龍神・黒龍神・白龍神・赤龍神)
【ご利益】
豊穣、除災、運気招来、技芸向上、就業成就、勝運向上、成績向上など
【公式サイト】 https://tanashijinja.or.jp/index.php
アクセス・最寄り駅・ルート
電車・バス利用
電車最寄駅
西武新宿線「田無駅」北口より徒歩6分
バス利用
- JR中央線「武蔵境駅」北口バス停留所より、ひばりヶ丘駅行きに乗車(所要時間約16分)
「田無駅」バス停下車徒歩6分 - 西武池袋線「ひばりヶ丘駅」バス停留所より、武蔵境駅行き/田無駅行きに乗車(所要時間約16分)
「田無駅」バス停下車徒歩6分 - JR中央線「吉祥寺駅」バス停留所より、花小金井行きに乗車(所要時間約20分〜30分)
「田無3丁目」バス停下車徒歩1分 - JR中央線「三鷹駅」バス停留所より、田無橋場行きに乗車(所要時間約20分〜30分)
「田無3丁目」バス停下車徒歩1分
田無駅からの徒歩ルート
田無神社の駐車場
田無神社には参拝者専用の駐車場が用意されており、入口は2か所あります。
収容台数は全体で60台です。
下の画像は、所沢街道沿いから入る半地下の駐車場、収容台数は約30台です。
もう一つは、冠木門の手前脇にある立体型の駐車場です、こちらも収容台数30台です。
記事まとめ
田無神社は、級津彦命、級戸辺命、大国主命をはじめとする数多くの神々、そして五行思想に基づく五龍神が祀られているパワースポットです。
五龍神それぞれの個性溢れるご利益を求め、多くの人々が訪れており、願い事がよく叶うことで知られています。
美しい自然と歴史ある建造物が調和する境内は見どころ満載で、心身のリフレッシュにも最適です。
ぜひ一度、ご自身の目でその魅力を感じてみてください。
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