烏森神社|ご利益・スピリチュアルな癌封じお守り・御朱印など完全ガイド

烏森神社 鳥居 東京都の神社

東京・新橋の喧騒の中に、ひっそりと佇む烏森神社。創建は平安時代、藤原秀郷の戦勝祈願に端を発する由緒ある神社でありながら、現在では「癌封じ」のお守りや色鮮やかな御朱印、願いに応じて選べる「心願色みくじ」など、独自のスピリチュアルな魅力で多くの参拝者を惹きつけています。

本記事では、烏森神社の歴史からご祭神、ご利益、見どころなどを詳しく紹介していきます。

創建の由緒と歴史

烏森神社の創建は、平安時代中期の天慶3年(940年)に起きた「平将門の乱」にさかのぼります。関東で勢力を拡大将門を征伐するため、鎮守府将軍であった藤原秀郷(俵藤太=たわらのとうた)が武蔵国の稲荷神社に戦勝祈願を行いました。その祈りに応えるように、神の使いである白狐が現れ、秀郷に一本の「白羽の矢」を授けたと伝えられています。この矢は神意の象徴であり、勝利を導く霊力を宿すものとされました。

秀郷はこの白羽の矢を手にして将門を討ち果たし、乱を鎮めることに成功します。戦の勝利を神の加護と捉えた秀郷は、感謝に意を込めて神社を建立しようと考えました。すると、再び白狐が夢に現れ、「神取(烏)が群がる場所こそが霊地である」と告げます。秀郷がその夢のお告げに従って桜田村(現在の新橋周辺)を訪れると、まさに烏が群がっていたため、そこに社を立てたのが烏森神社の始まりです。

江戸時代では「江戸三森」(烏森・椙森・柳森)の一社として庶民の信仰を集め、初午(はつうま)の稲荷祭は江戸でも屈指の賑わいを見せました。
明暦の大火をでは社殿が奇跡的に焼失を免れたことで、神威の強さが広く知られるようになります。

明治期には「烏森稲荷」から「烏森神社」へ改称され、新橋駅の解説とともに参拝者が増加。昭和46年には現代的な社殿が造営され、現在ではビジネスマンや観光客にも親しまれる都心のパワースポットとして知られています。

ご祭神

烏森神社には以下の三柱が祀られています。

  • 倉稲魂命(うかのみたまのみこと)
  • 天鈿女命(あめのうずめのみこと)
  • 瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)

倉稲魂命は、稲荷神として知られ、五穀豊穣や商売繁盛の神として広く信仰されています。稲荷信仰の中心的存在であり、食の恵みや経済的安定をもたらす神として、江戸時代から現代に至るまで多くの人々の生活に寄り添ってきました。

天鈿女命は、芸能の神であり、天岩戸の神話で舞を披露したことで知られています。彼女の舞は、閉ざされた世界に光をもたらす象徴であり、表現や創造の力を司る神として、芸術家や表現者にとって特別な存在として認められています。烏森神社が芸能関係者に人気なのも、この天鈿女命の力に由来しています。

瓊瓊杵尊は、天照大神の孫にあたり、地上を統治する始祖として、国家安泰や家内安全のご利益を持っています。天孫降臨の神話に登場するこの神は、人々の暮らしの基盤を守る存在であり、家族の平穏や社会の安定を願う参拝者にとって心強い守護神です。

この三柱が祀られていることで、烏森神社は「願いを形にする力」「表現を通じて人を動かす力」「生活の基盤を守る力」という、現代人の多様な願意に応える神社として信仰されています。

ご利益

  • 勝運:勝負事や仕事に打ち勝つ
  • 厄除け・病気平癒:特に「癌封じ」のご利益
  • 芸能上達:表現力や創造力の向上
  • 縁結び・家庭円満:家族や社会の平穏

創建の由緒に基づく「勝運」は、戦に勝つという意味だけでなく、人生の節目や仕事の場面で「勝ち抜く力」を授けてくれるとされています。新橋という土地柄もあり、ビジネスマンの参拝が多く、昇進祈願や商売繁盛を願う人々にとって心強い神社となっています。

また、厄除けや病気平癒のご利益も厚く、特に「癌封じ」のお守りは全国的にも珍しい存在です。南瓜(かぼちゃ)をモチーフにしたこの御守は、古来より「病を封じる力がある」とされる南瓜の霊力に着目したもので、実際に病気と向き合う人々にとって心の支えとなっています。癌という重いテーマに対して、明るく親しみやすいデザインが施されている点も、多くの参拝者の心を和ませています。

芸能上達や表現力向上を願う人々には、天鈿女命の力が働くとされ、舞台関係者やクリエイターの参拝も目立ちます。芸能の神としての天鈿女命は、表現することに対する不安や迷いを払拭し、創造力を高める後押しをしてくれる存在です。

さらに、縁結びや家庭円満、国家安泰など、瓊々杵尊のご利益も見逃せません。家族の平穏や社会の安定を願う人々にとって、烏森神社は日常の安心を祈る場として機能しています。

なにがスピリチュアル?

烏森神社が「スピリチュアルな場所」と言われるのは、単にご利益があるからではなく、以下のような深い理由があるからです。

まず、烏森神社の創建されたきっかけに注目してみましょう。昔、藤原秀郷という武将が戦いに勝つために神様にお願いをしたところ、白い狐が現れて「白羽の矢」を授けてくれたという話があります。その後、夢の中で「烏が集まる場所が神聖な地だ」と告げられ、実際に烏が群がっていた場所に神社を建てたのが始まりです。
このように、神様からのメッセージを受け取って行動するという流れは、「見えない力に導かれる」という感覚に近く、現代でいう「スピリチュアル」な体験と重なります。
白羽の矢は、神様が人に与える使命や進むべき道を示すものとして、特別な意味を持っています。「白羽の矢が立つ」という言葉も、誰かが選ばれることの象徴として使われているように、烏森神社の由緒は、そんな「選ばれる」という感覚に通じるものがあり、それが霊的なものとしてスピリチュアルに繋がっているのです。

さらに、烏森神社には「癌封じ」のお守りや、季節ごとに変わる御朱印など、具体的な願いに応えるものが多くあります。「病気を治したい」「仕事で成功したい」「人生の大きな変化を乗り越えたい」など、はっきりした願いを持って訪れる人が多いのも特徴です。そうした願いが、神社の空気や雰囲気と重なり合うことで、心が整い、自分の気持ちを見つめ直すきっかけとなっているのです。つまり、神社の超自然的な力を感じつつ内面的な成長を促せることがスピリチュアルだとされているのです。

烏森神社は、昔からの神話と、今の人々の願いや感性がうまく混ざり合う場所であり、ただお願いをするだけでなく、自分自身と向き合う時間が自然と生まれる、だからこそ、多くの人が「スピリチュアルな場所」と感じるのではないでしょうか。

御朱印

烏森神社 御朱印

色彩豊かでユニークな御朱印

烏森神社の御朱印は、全国的にも珍しい「色付き御朱印」として知られ、参拝者の心を惹きつけています。通常の墨書きに加え、季節や祭事に応じた色彩が施されており、視覚的にも美しいのが特徴です。

特にユニークなのが、「心願色みくじ」と連動した仕組みです。自分の願いに対応する色を選び、その色が御朱印に反映されます。

  • 赤色: 恋愛成就・良縁祈願
  • 黄色: 金運上昇・商売繁盛
  • 青色: 厄除け・仕事運向上
  • 緑色: 健康長寿・家内安全

また、季節限定の御朱印も人気で、桜の時期には淡いピンク、七夕には星をあしらったデザインなど、その時期ならではのアートとしての魅力も備えています。御朱印を通じて、参拝者は神社とのつながりを深め、参拝と祈りの記憶を残すことができるのです。

お守り

烏森神社 お守り

全国で珍しい癌封じ守りもある

烏森神社では、さまざまなお守りが授与されており、特に以下のお守りが人気があります。

お守り名 概要 初穂料(目安)
烏森神社御守 社紋の烏と四色の巴が織り込まれたデザイン。赤・黄・青・緑の4色展開で、運気全般の上昇を祈願。 約1,200円
仕事御守 金色の稲穂が両面にあしらわれ、仕事運・成果・昇進などを祈願。ビジネスマンに人気。 約800円
幸運の鈴守(天鈿女命の御守) 芸能の神「天鈿女命」にちなんだ鈴付きのお守り。鈴の音で邪気を祓い、幸運を呼び込む。 約1,200円〜2,000円
心願成就御守 願い事の成就を祈願するストラップ型。携帯にも付けられ、日常的に願いを意識できる。 約1,000円
癌封じ御守 かぼちゃの絵柄が特徴。癌にならないように、また癌を封じて平癒するよう祈願。 約1,000円〜2,500円

癌封じお守りが有名

最も注目されているお守りは「癌封じお守り」です。
全国的に非常に珍しいお守りで、古来から良薬として用いられた「かぼちゃ(南瓜)」がデザインとなっています。癌にならないように、また、癌を封じて平癒することと、このお守りを持つことで精神的にも癌に打ち勝つように祈願されたお守りです。

そのほかには、社紋御守、恵方開通護符、開運お守り、出張安全御守(職務達成)、学業成就お守り、安産お守り、健康お守り、長寿お守り、厄年御守護、厄年御守、交通安全貼り符、開運厄除お守り、旅行安全御守、招福金運お守り、子授御守があります。

おみくじ

烏森神社 心願色みくじ

願い事を書いて奉納すると祈祷してもらえる

森神社のおみくじの中でも特に人気なのが「心願色みくじ」です。
願いの種類に応じて色を選ぶ体験型のおみくじで、赤(恋愛・良縁)、黄(金運・商売繁盛)、青(厄除け・仕事・学業)、緑(健康・家庭円満)の4色があります。
参拝者は自分の願いに合った色を選び、運勢を占うだけでなく、願い札に願い事を記入して境内に奉納することで、後日神職による祈祷が行われます。

さらに「超大吉」が出ると、特別な「福分けセット」が授与される仕組みもあり、運を周囲に分けるというコンセプトが込められています。色みくじは御朱印とも連動しており、選んだ色が反映されたスタンプが押されるため、記念性も高く、SNSでも話題に。視覚的・感覚的に願いを深める設計が、参拝者の満足度を高めています。

授与所

烏森神社 授与所

週末の授与所は常に混み合っています

授与所の開所時間は、午前9時〜午後4時です。
御守りや御朱印、願い札などの授与品を受けることができます。年末年始などの繁忙期には、時間が延長されることもあります。最新の情報は、公式Twitter「こい吉」で随時更新されています。

心願色みくじの願い札書き処

烏森神社の 願い札書き処

願い札の書き処は3つの部屋に分かれている

烏森神社独自の「心願色みくじ」は、上述のとおり、願いの種類に応じて色を選ぶ体験型のおみくじです。赤(恋愛・良縁)、黄(金運・商売繁盛)、青(厄除け・仕事・学業)、緑(健康・家庭)から選び、みくじ・願い札・願い玉の3点セットをいただきます。

願い札は、専用の書き処で同色のペンを使って記入します。書き終えた札は、境内の「色みくじ結び処」に結びつけることで奉納され、後日神職による正式な祈願が行われます。空間としてもフォトスポットとして人気があり、参拝者の祈りの姿が自然と映えるスポットになっています。

見どころ

モダンな鳥居

烏森神社 鳥居

周囲の都市的空間との調和を考慮したモダンなデザイン

昭和の建築家・郡菊夫氏によるコンクリート製鳥居であり、直線的でモダンな現代アート的な社殿と調和したデザインとなっています。

都市空間との調和が考慮されており、新橋というビジネス街の中心において、周囲の近代建築と違和感なく共存する必要があったことから、伝統的な神域の象徴である鳥居を現代的なデザインにして、神聖さと都市性の融合を見事に表現しています。

社殿もモダンなデザイン

烏森神社 社殿

昭和46年再建の社殿は、伝統と近代建築が融合したコンクリート造り。新橋の都市性に調和し、荘厳さと洗練が共存。内部には色とりどりの祈願札が並び、視覚的にも願いが感じられる空間設計が施されています。

三つ巴紋・扁額・社紋

烏森神社 三つ巴紋

火除け・魔除けの意味がある三つ巴紋

三つ巴紋(みつどもえもん)は、古来より「水の流れ」や「渦」を表す文様として知られ、火除け・魔除けの意味があるとされています。

烏森神社 社紋

社紋も火除けや魔除けの効果があります

三つ巴紋に加え「烏が稲穂を咥えて森を飛ぶ」社紋も印象的で、神社の由来を象徴し、社紋も魔除け・防火の意味もあり、御朱印や授与品にも社紋が使われ、統一感ある世界観を表現しています。

烏森神社 扁額

力強い隷書体の扁額

社殿正面上部の扁額は、神社でよく使用されている金色の隷書体で、力強い印象から厳かな印象です。

狛犬(玉取り型)

烏森神社 阿形 狛犬

口を開いた多摩阿形・玉取り型の狛犬

社殿前の右側の狛犬は口を開いているので阿形の狛犬です。玉を抱える「玉取り型」なので、運気が転がる・縁が結ばれる願いが込められ、柔らかな表情は親しみを感じさせます。もちろん、狛犬なので魔除けとして参拝者を見守り、写真映えする人気スポットにもなっています。

参道の雰囲気

烏森神社 参道

参道の入り口から社殿まで眺め

新橋の路地裏の参道では、昼間は主に参拝者が通り、夜は参道にある飲み屋が仕事帰りのサラリーマンなどで賑わいます。鳥居と紙垂が神域への入口を示し、都会のど真ん中でありながらも喧騒から離れた穏やかな空気が漂っています。

年間行事・祭事

烏森神社の年中行事の主な祭事には以下があります。

節分祭(2月上旬)
毎年2月初旬に行われる節分祭では、厄除けを願う豆まきが盛大に行われます。芸能関係者や地域の著名人が参加することもあり、境内は華やかな雰囲気に包まれます。参拝者は福豆を受け取りながら、旧年の厄を祓い、新しい年の無病息災を願います。烏森神社ならではの限定御朱印や授与品も登場し、節分を迎えるにふさわしい祈りの場として多くの人々が訪れます。

例大祭(5月中旬)
烏森神社最大の祭事である例大祭は、毎年5月に開催されます。新橋の街全体が祭りの熱気に包まれ、神輿が練り歩く様子は圧巻。地域の人々が一体となって神輿を担ぎ、沿道には多くの見物客が集まります。この祭りは、神社が「祈りの場」であると同時に「地域の絆を育む場」であることを実感させてくれる行事です。境内では特別な御朱印やお守りも授与され、祭りの記憶を形に残すことができます。

夏越の大祓(6月下旬)
半年間の穢れを祓い、心身を清める「夏越の大祓」は、6月末に行われる重要な神事です。境内には「茅の輪(ちのわ)」が設置され、参拝者はその輪をくぐることで厄を祓い、残り半年の無病息災を祈願します。静かながらも厳かな雰囲気の中で行われるこの行事は、日々の喧騒から離れて自分自身を見つめ直す貴重な時間となります。

七夕祭り(7月上旬〜中旬)
七夕の時期には、境内に笹が飾られ、参拝者は短冊に願い事を書いて結ぶことができます。七夕祭りに合わせて、烏森神社では毎年「七夕限定御朱印」が登場し、グリーン箔押しの美しいデザインが人気を集めています。また、「七夕こい吉御朱印」などユニークな授与品もあり、季節感と祈りが融合した体験が楽しめます。夏越の大祓と時期が重なるため、心身の浄化と願いの成就を同時に祈る参拝者も多く訪れます。

アクセス・最寄駅

  • JR新橋駅  西口・日比谷口から徒歩3分または烏森口より徒歩4分
  • 地下鉄(銀座線・都営浅草線)新橋駅  徒歩3~4分

烏森口から参道入口まで徒歩約3分、参道入口から徒歩1分程度で到着します。

基本情報

【社名】烏森神社(からすもりじんじゃ)
【住所】東京都港区新橋2-15-5
【電話番号】03-3591-7865
【ご祭神】
・倉稲魂命(うがのみたまのみこと)
・天鈿女命(あめのうずめのみこと)
・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)
【ご利益】
・商売繁盛
・技芸上達
・家内安全
・諸事円満
・福貴繁栄
・必勝祈願成就
・縁結び
・金運向上
・健康祈願
・厄除け
【公式サイト】
烏森神社公式サイト

この記事のまとめ

東京都港区・新橋に鎮座する烏森神社は、商売繁盛や技芸上達、縁結びなど多彩なご利益で知られる、都心の癒しと祈りの拠点です。

例大祭や節分祭などの祭事では、地域とのつながりを感じながら、自身の節目を意識する貴重な体験ができます。

季節限定の御朱印やお守りが登場し、訪れるたびに新たな祈りの形に出会えます。
特に「心願色みくじ」や「癌封じお守り」などは、願いが叶ったという声も多く、参拝者の心に寄り添う存在です。

新橋の街に息づく烏森神社で、あなたの願いと行動を結びつける「祈りの時間」を過ごしてみてはいかがでしょうか。