【高幡不動尊 金剛寺】御朱印・参道・見どころ・ご利益・厄除け・駐車場やアクセスなど徹底レビュー

高幡不動尊 五重塔 東京都のお寺
逆光に映える五重塔は重要文化財

東京都日野市にある高幡不動尊(金剛寺)は、関東三大不動の一つとして古くから篤い信仰を集める真言宗智山派の名刹です。強力な厄除けのご利益があるパワースポットとして有名で、初詣には約30万人が訪れる人気スポットです。

新選組副長・土方歳三の菩提寺としても知られており、境内には国指定重要文化財の不動堂や五重塔をはじめ、四季折々の風景とともに楽しめる見どころが点在し、弘法大師ゆかりの「山内八十八ヶ所巡拝路」では四国八十八ヶ所巡礼を模した霊場巡りも体験できます。

信仰、歴史、自然が調和する高幡不動尊は、心と身体を清める特別な空間と時間を与えてくれるパワースポットです、その魅力を、この記事では徹底紹介します。

高幡不動尊 金剛寺の由緒と歴史

高幡不動尊金剛寺(高幡山明王院金剛寺)は、真言宗智山派の別格本山であり、古くから「高幡のお不動さん」として親しまれ、関東三大不動の一つに数えられる由緒ある寺院です。

その創立については諸説あり、大宝年間(701年)以前に遡るとも、奈良時代に行基菩薩が開基したとも伝えられていますが、確かな起源は平安時代初期に慈覚大師円仁が清和天皇の勅願を受け、この地を東関鎮護の霊場として定め、不動堂を山中に建立し不動明王を安置したことに始まります。

建武2年(1335年)の大風によって堂宇は倒壊し、儀海上人が康永元年(1342年)に麓へ移して再建したのが現在の不動堂です。不動堂は室町前期の建造物で、東京都に現存する木造建築の中でも最古級のものとして国の重要文化財に指定されています。続いて建立された仁王門も重要文化財であり、寺の歴史的価値を今に伝えています。

足利時代には高幡不動尊の不動明王は「汗かき不動」と呼ばれ、鎌倉公方や戦国武将たちの尊崇を集めました。出陣前に戦勝祈願すると戦に勝たせてかいただけると信仰されていました。

江戸時代には関東十一檀林の一つとして火防の不動尊として庶民の厚い信仰を受け、門末三十六ケ寺を従える関東屈指の大寺院へと発展しました。

安永8年の大火で大日堂や大師堂など多くの堂宇を焼失しましたが、歴代住持の不断の努力により復興が進み、昭和期以降には五重塔、大日堂、宝輪閣、奥殿、大師堂、聖天堂などが再建され、往時を超える壮観な寺観を呈するようになりました。

境内には総重量1100キロを超える巨像で、日本一と伝えられる丈六不動三尊像が修復を経て奥殿に安置されています。また宗祖である弘法大師(空海)の像も安置され、御朱印には「弘法大師」のものが授与されるなど、弘法大師信仰が今も息づいています。

高幡不動尊の御本尊にもなっている不動明王は弘法大師が日本に広めたものです。弘法大師は日本に密教を広め、不動明王信仰の基盤を築いた人物なのです。

境内には「山内八十八ヶ所巡拝路」の札所が設けられており、八十八体もの弘法大師の石像を巡拝でき、関東における弘法大師信仰の重要な拠点となっています。

このように高幡不動尊金剛寺は、平安初期以来の由緒を持ち、室町期の不動堂や仁王門を今に伝える古刹であり、弘法大師信仰と不動明王信仰の中心地として関東一円に厚い信仰を集め続けてきた寺院です。

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高幡不動尊 金剛寺の御朱印

高幡不動尊(金剛寺)の御朱印は複数あり、不動明王や大日如来をはじめ、霊場札所ごとの御朱印と期間限定御朱印があり、6種類前後の御朱印が授与されています。

期間限定御朱印

高幡不動尊 期間限定御朱印

紅葉のイメージが美しい秋季限定御朱印

今回、秋の期間限定御朱印をいただきました(令和七年十一月二十四日拝受)。「多摩新四国八十八霊場」の札所としての御朱印です、志納料は1,000円。

紅葉(もみじ)と銀杏の葉をモチーフにしたデザインが施されていて、五重塔や太陽も描かれており、季節感と寺院の象徴が融合したとにかく美しい御朱印です。

期間限定御朱印は、上記のような紅葉や桜、行事をモチーフにしたデザインものが頒布されています。

通常の御朱印

不動明王の御朱印(関東三十六不動霊場)

八十八番の札所であることを示す豪快な墨書き御朱印

この御朱印も「多摩新四国八十八霊場」の札所としての御朱印です、志納料は500円。高幡不動尊はこの霊場の第88番札所にあたり、弘法大師信仰を広める目的で設けられた巡礼霊場の一つです。墨書の「不動明王」は高幡不動尊の御本尊を示し、「武州高尾山」は寺の山号を表しています。

厄除け不動尊の御朱印(武相不動霊場)

第28番札所としての御朱印で、厄除けの祈願を込めたものです。

不動明王の御朱印(東国花の寺百ヶ寺)

東京第7番札所としての御朱印で、「花の寺巡礼」の一環で頒布されているものです。

大日如来の御朱印

高幡不動尊の総本堂「大日堂」にちなむ御朱印、密教の根本仏である大日如来を表しています。

日野七福神の御朱印(弁財天)

境内の弁天堂にちなむ御朱印で、「日野七福神めぐり」の一つとしていただけます。

御朱印の授与所

御朱印の授与場所は五重塔そばの「寺務局」です。
授与時間は通常 9:00〜16:00。
【ご留意点】
1日にいただける御朱印は基本的に1種類のみとされているため、複数種類を集めるには何度か参拝する必要があります。

御本尊

高幡不動尊 御本尊

ご本尊の丈六不動明王坐像

ご本尊は丈六不動三尊像(重要文化財)で、平安後期の作で、平成14年に1000年ぶりに修復され奥殿に安置されています。現在は新丈六不動明王像が身代わり本尊として奉安されています。

丈六不動三尊像については見どころで詳述します。

高幡不動尊 金剛寺のご利益

高幡不動尊は「関東随一の厄除け不動」と称され、強力な厄除けのご利益で知られる寺院です。さらに商売繁盛、交通安全、家内安全など幅広いご神徳があるとされています。

強力な厄除けご利益

高幡不動尊が厄除けで特に有名なのは、御本尊である丈六不動三尊像の霊験に由来します。不動明王は大日如来の化身であり、怒りの姿で煩悩や災厄を断ち切る存在とされます。その力強い姿が「悪を退け、災難を祓う」象徴となり、古来より武士や庶民から篤い信仰を集めてきました。

室町時代には「汗かき不動」と呼ばれ、戦乱の中で霊験を示したことが武士たちの尊崇を集め、江戸時代には火防の不動尊として庶民の生活を守る存在となりました。こうした歴史的背景が「強い厄除け信仰」へと結びついてきているのです。

縁日と初不動での厄払い

毎月28日の縁日や、特に1月28日の「初不動・だるま市」には多くの参拝者が訪れます。護摩祈祷の炎の中で不動明王に祈りを捧げることで、厄を払い、新たな月を迎え、新しい一年の安全を願う風習が根付いています。

口コミでも「護摩祈祷を受けた後に不思議と心が軽くなった」「厄年に参拝して以来、大きなトラブルがなく過ごせている」といった多くの声が寄せられています。

他の幅広いご利益

さらに高幡不動尊は厄除けだけでなく、商売繁盛・交通安全・家内安全・病気平癒・縁切り・良縁成就など幅広いご利益があるとされます。

境内には「鳴り龍」や「お砂踏み石」など、参拝者が体験できる霊場があり、四国八十八ヶ所巡礼と同じ功徳を得られると信じられています。

口コミでも「仕事での悩みが軽くなり、商談がうまく進んだ」「交通安全祈願をしてから家族が事故なく過ごせている」「夫婦で参拝したら家庭が穏やかになった」といった体験談が多く見られます。

高幡不動尊のお守り

高幡不動尊 お守り

多種類が頒布されていいます、主なお守りのと授与品は以下のとおりです。

厄除け・開運・身体の守り

  • 厄除守:厄除、災難除け
  • 身代り御守:災厄からの身代わり、無病息災
  • 健康御守:健康維持、病気平癒
  • 勝守:勝負運、目標達成
  • 十二支根付:開運、厄除
  • ほのほうちわ(期間限定):厄除
  • 智剣木札:家内安全、厄除消除、交通安全

交通安全の守り

  • 交通安全御守:交通安全、道中安全
  • 赤房付交通安全除災厄御守:交通安全、災難除け、厄除

学業・金運・縁結び・その他

  • 学業御守・合格御守:学業成就、受験合格
  • 安産子授御守:安産祈願、子授け
  • 財運福徳御守・開運福徳御守:財運、金運招福
  • 縁結守:恋愛成就、良縁
  • 新選組のお守り:開運、厄除(新選組副長・土方歳三の菩提寺にちなんで)

高幡不動尊の見どころ

巡り方、おすすめルート

【必見ルート】(所要時間:約1.5〜2時間)

仁王門 → 不動堂 → 奥殿 → 上杉憲顕の墳 → 大日堂 → 聖天堂 → 大師堂 → 虚空蔵院 → 五重塔 → 松尾芭蕉の句碑 → 弁天堂

境内の主要伽藍や史跡を巡る王道ルート。各堂宇で参拝し、文化財や史跡をじっくり見学すると2時間近くかかります。写真撮影や御朱印拝受を含めるとさらに時間が延びる可能性あり。

各見どころについては後述します。

【八十八霊場ルート】(所要時間:約1時間)

正式名称は「山内八十八ケ所巡拝路」、境内裏山の愛宕山に設けられた約1kmの巡拝路です。弘法大師像が1番から88番まで並び、四国八十八ヶ所霊場と同じご利益があるとされています。
ハイキング気分で楽しめますが、坂道や階段があるため歩きやすい靴がおすすめです。写真撮影や休憩を含めると1時間以上かかると考えておきましょう。

両方を巡る場合

  • 合計所要時間:約2.5〜3.5時間
  • 必見ルートで主要伽藍を参拝し、八十八霊場巡りで弘法大師信仰を体感。
  • 半日程度の滞在で、厄除け・歴史・信仰・自然を一度に満喫できます。

高幡不動尊の見どころ

仁王門

高幡不動尊 仁王門

この仁王門は重要文化財に指定されており、正確な建立年は定かではありませんが、室町時代後期(1467〜1572年頃)の建築とされています。
もとは二層構造の標準的な「楼門」として計画されましたが、建設途中で設計が変更され、上層部分を覆うように屋根がかけられたため、外観は長らく単層の仁王門でしたが、昭和34年(1959年)の解体復原修理によって本来の二層構造の楼門形式に復原されて、屋根も銅板葺きに改められています。

門内に安置される仁王像(阿形・吽形)は室町時代の作で、力強い造形が特徴で、仏敵や悪霊、厄災の侵入を防ぐ役割を担っています。室町期の仁王像は関東でも貴重であり、文化財的価値が高いものです。

楼上に掲げられた扁額「高幡山」は、江戸時代初期の高僧・運敞僧正(号泊如)の筆によるものです。運敞僧正は真言宗智山派の僧で、書の名手としても知られています。その筆跡は力強く、寺の山号を荘厳に示すものとして参拝者の目を引きます。

不動堂

高幡不動尊 不動堂

不動堂は国の重要文化財で都内最古級の建物

高幡不動尊の不動堂は、康永元年(1342年)に再建された東京都最古級の建造物であり、国の重要文化財に指定されています。
​本来のご本尊は、平安時代後期に造立された木造丈六不動三尊像(重要文化財)です。この不動像は、1999年から2002年(平成14年)にかけて約1000年ぶりの大修理が行われました。
​修復完了後、重要文化財の像は奥殿に移され、そこで拝観できるようになっています。
現在、不動堂の堂内には、その身代わりとして造られた新丈六不動三尊像がご本尊として奉安されています。この身代わり本尊が、日々のお護摩修行で拝まれています。

奥殿

高幡不動尊 奥殿

丈六不動三尊像(重要文化財)を安置。

上杉憲顕の墳(上杉堂)

高幡不動尊 上杉堂

上杉憲顕(のりあき)の墓

高幡不動尊にある上杉堂は、境内の奥殿(宝物殿)の右隣にひっそりと佇む、室町時代中期の武将、上杉憲秋(うえすぎ のりあき)の墓所です。

​憲秋は犬懸(いぬかけ)上杉氏の出身で、享徳4年(1455年)の享徳の乱において、山内上杉家方の先鋒として参戦しました。立川原での合戦で鎌倉公方・足利成氏の軍と戦い深手を負った憲秋は、本国へ戻れず、高幡不動尊に入って自刃したと伝えられています。

​従者がその遺骸を埋葬し、自然石を墓標としたものが、現在の上杉堂(上杉憲秋公墳)の起源であり、堂内の墓標石は茶湯石とも呼ばれています。

大日堂

高幡不動尊 大日堂

大日堂(だいにちどう)は、高幡不動尊の総本堂です。堂内には、平安時代に造立されたものと伝えられるご本尊の大日如来(だいにちにょらい)像が安置されています。

​江戸時代の安永8年(1779年)の大火で焼失した後、長く仮本堂の状態でしたが、昭和57年(1982年)から5年の歳月をかけて根本改修工事が行われ、現在の建物として再建されました。

内部には、特定の場所で手を叩くと龍が鳴いているように聞こえる有名な鳴り龍(なきりゅう)天井や、日本画家・後藤純男画伯が描いた襖絵などが安置され、美術的な見どころも豊富です。

​高幡不動尊は新選組副長・土方歳三の菩提寺であるため、大日堂には土方歳三の位牌が納められており、毎年5月の命日には法要が営まれます。

大日堂は、寺院の中心としてだけでなく、新選組との歴史的なつながりを持つ重要な文化財だといえます。

聖天堂

高幡不動尊 聖天堂

聖天堂(しょうてんどう)では、大聖歓喜天(だいしょうかんぎてん)、または聖天(しょうてん)様と呼ばれる、仏教に取り入れられた象頭人身の姿のインド神話のガネーシャ神が祀られています。
​聖天様は非常に力の強い神様であり、そのご利益は現世利益全般にわたります。具体的には、商売繁盛や金運向上といった富貴栄達(ふうきえいたつ)の願い、病気や災難を取り除く除病除厄(じょびょうじょやく)、そして特に恋愛成就や夫婦円満、縁結びなど家庭の和合に関する願いに強い功徳があるとされています。

大師堂

高幡不動尊 大師堂

大師堂(だいしどう)は、弘法大師空海(こうぼうだいし くうかい)を祀るお堂です。高幡不動尊は真言宗智山派の別格本山であり、真言宗の開祖である弘法大師を祀る大師堂は極めて重要な存在です。

​大師堂内には弘法大師像が祀られ、人々は真言宗の教えを広めた空海に対する感謝と信仰を捧げます。

​かつての大師堂は、江戸時代の安永8年(1779年)の大火により、大日堂などと共に焼失してしまい、現在の建物は、その後に再建されたものです。

​大師堂は一般的に、遍路(へんろ)の出発点となることが多く、四国八十八ヶ所霊場巡りなど、弘法大師ゆかりの霊場を巡る修行に先立ち、大師堂で弘法大師に手を合わせ、道中の安全と修行の成就を祈願するのが習わしです。

虚空蔵院

高幡不動尊 虚空蔵院

虚空蔵院(こくうぞういん)は、人々に知恵と福徳を授ける虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)を祀るお堂です。
虚空蔵とは「大空のように広大な蔵」という意味を持ち、虚空蔵菩薩は宇宙のように無限の知恵と慈悲を持った菩薩とされています。

虚空蔵菩薩は、特に数え年で13歳を迎える子どもが知恵と福徳を授かり、厄除けと開運を祈願する十三参り(じゅうさんまいり)の仏様として尊崇を集めています。そのため、虚空蔵院にお参りすることで、人生の重要な節目を迎える子どもの知恵の増進と健やかな成長にご利益があるとされています。

​また、真言宗の宗祖である弘法大師空海も、厳しい修行を通じて虚空蔵菩薩から悟りを開くための知恵を授かったとされ、真言宗にとって重要な仏様だといえます。

高幡不動尊 虚空蔵院

五重塔

高幡不動尊 五重塔

高幡不動尊の境内にある五重塔(ごじゅうのとう)は、昭和57年(1982年)に建立された、総高約45メートルに及ぶ壮麗なとうランドマークです。

​五重塔の内部には、仏舎利を納めるとともに、五智如来(ごちにょらい)像が安置されています。仏舎利(ぶっしゃり)とは、釈迦の遺骨(または火葬後の残骨)を指し、仏教において最も神聖なものとして扱われます。この仏舎利を納めることが、五重塔建立の最も重要な目的であり、塔自体が仏の存在と功徳を象徴しています。

​また、塔の各層は、密教における宇宙の構成要素である五大(地・水・火・風・空)を象徴しており、最下層の「地」から最上層の「空」へと至ることで、大日如来の持つ五つの智慧(五智)と宇宙観を表現しています。五重塔は、高幡不動尊における密教信仰の深さと美しさを伝える象徴的な存在だといえます。

高幡不動尊 五重塔

御本尊を祀る奥殿と仏舎利を納めている五重塔のツーショット。

高幡不動尊 五重塔

裏山のハイキングコースからの眺めです。高幡不動尊の五重塔は眺める場所次第で千変万化する魅力があります。

松尾芭蕉の句碑

高幡不動尊 松尾芭蕉の句碑

名月にふもとの霧や田のくもり

松尾芭蕉の句碑です。
「名月にふもとの霧や田のくもり」
満月が堂々としており、その光は強く、清らかで、辺り一面を銀色に染めていて、視線を下の山々の麓へと移すと、月の光が霧に当たって広く霞んでいる、その様は静寂と幽玄さそのものである、といった情景を表現した美しい俳句です(個人的な解釈です)。この句碑の前に立ちながら、月を見上げて、それから目をつぶって、そんな情景を思い浮かべるのが私は好きです。

弁天堂

高幡不動尊 弁天堂

弁財天は、総門をくぐり左手の赤い弁天橋を渡った先に佇んでいます。

弁財天は七福神の中で唯一の女神であり、そのご利益の幅広さから篤い信仰を集めています。

​弁財天の起源は、インドの聖なる河「サラスヴァティー」が仏教に取り入れられたことに由来します。そのため、川の流れる音と結びつき、音楽や芸能、そして学問成就や弁舌上達といった「知恵」に関するご利益を持つようになったとされます。
また、豊穣の女神でもあることから、商売繁盛や金運向上といった「財運」もたらすと信仰されています。

高幡不動尊 弁天橋

山内八十八カ所巡り

高幡不動尊 山内八十八ケ所巡拝路入口

山内八十八ケ所巡拝路入口

高幡不動尊にある山内八十八カ所巡り(やまうち はちじゅうはちかしょめぐり)は、広大な境内の裏山(愛宕山)の散策路を利用したミニ霊場であり、真言宗の宗祖である弘法大師・空海が開いた四国八十八ヶ所霊場を模して作られたものです。

四国遍路は約1,500kmにも及ぶ長い旅路となりますが、この巡礼路を巡拝することで、四国八十八カ所すべてを巡ったのと同じ功徳が得られると信仰されています。
​この巡拝路は明治42年(1909年)に開設され、道筋には、四国の札所に見立てた88体の弘法大師像(石仏)が順路に沿って安置されています。巡拝路は五重塔の足元付近に入口があり、裏山を登り下りするコースで、全長は約1.5km〜3km程度、所要時間は約1時間から1時間半となっており、気軽に霊場巡りの雰囲気を味わうことができます。

巡拝路の終点にあたる大師堂の前には「お砂ふみ石」が置かれています。この石の下には四国八十八カ所すべての霊場の砂が埋められており、巡拝を終えた信者がこの石の上で手を合わせることで、八十八カ所すべての霊場を巡拝したのと同じ結願(けちがん)= 満願成就の功徳が得られるとされています。

高幡不動尊 山内八十八ケ所

第一番札所

上の第一番札所~下の第八十八番札所まで弘法大師の石仏が巡拝路に沿って安置されています。

高幡不動尊 山内八十八ケ所札所

第八十八番札所

お砂ぶみ石

高幡不動尊 お砂ぶみ石

足で踏むと四国遍路と同等のご利益)が得られる

四国八十八霊場の砂を集めた石で、踏むことで巡礼と同じ功徳が得られるとされています。お砂ぶみ石は、「山内八十八カ所巡り」コースの終点、大師堂(だいしどう)の正面にあります。

参道の商店街

高幡不動尊 参道

高幡不動尊参道商店街入口

高幡不動参道は、京王線や多摩モノレールの高幡不動駅から高幡不動尊金剛寺へと続く商店街で、老舗のそば屋や和菓子店、せんべい屋、カフェなどが軒を連ねています。名物の高幡まんじゅうや塩豆大福は参拝客に人気で、観光土産として定番です。美容院や薬局、金融機関など生活に密着した店もあり、地域住民の暮らしを支える場でもあります。

参道は季節ごとの行事と結びつき、初夏の「あじさいまつり」や秋の「もみじまつり」、菊まつりや節分会、毎月28日の縁日などで賑わいます。また、高幡不動尊は新選組副長・土方歳三の菩提寺として知られ、参道には関連グッズを扱う店もあり、歴史ファンにも魅力的です。昼は参拝や買い物、夜は横丁の居酒屋と、時間帯によって異なる表情を見せるのも特徴です。

商店街の賑わいと季節の祭り、歴史文化が融合した場所として、多くの人々に親しまれています。

高幡不動尊の年中行事

主な年中行事

時期 行事名 概要
1月1日〜3日 元朝祈願大護摩修行 年の初めに、無病息災などを願う大護摩供養が行われます。
1月1日〜2月3日 厄除ほのほうちわ授与 厄除けの縁起物である「ほのほうちわ」が授与されます。
1月15日 厄病除牛王宝印々可 厄病を除けるための「牛王宝印(ごおうほういん)」の押印が行われます。
1月21日 初弘法大師 弘法大師(空海)にちなむ月命日のうち、年明け最初の縁日です。
1月28日 初不動大祭・だるま市 一年で最初の不動明王の縁日。稚児行列も行われ、だるま市で賑わいます。
1月31日 豆煎り式 節分で使用する豆を煎る儀式が行われます。
2月3日 節分会豆撒式・だるま市 厄除けを願って豆まきが行われ、だるま市も開催されます。
2月15日 涅槃会(ねはんえ) 釈迦(お釈迦様)が入滅した日に行われる法要です。
3月21日 弘法大師正御影供 弘法大師(空海)の命日に行われる法要(彼岸会)。
4月8日 花まつり(釈尊降誕会) 釈迦の誕生を祝う行事です。
4月28日・29日 春季大祭国宝まつり 春の大きなお祭りで、国宝指定の文化財を祝うと共に、稚児行列などが行われます。
5月第2日曜日 ひの新選組まつり 新選組副長・土方歳三の菩提寺である高幡不動尊を拠点に行われる地域のお祭りです。
5月28日 正五九例祭 正月・五月・九月に行われる不動明王の大きな縁日です。
6月1日〜30日 あじさいまつり 境内の山内八十八ヶ所巡拝路を中心に、多くのアジサイが咲き誇ります。
6月15日 青葉まつり(弘法大師誕生会) 弘法大師(空海)の誕生を祝う法要です。
8月15日 盂蘭盆大施餓鬼法要 祖霊や無縁仏を供養する法要です(お盆)。
9月28日 秋季大祭大般若会 秋の大きなお祭りで、大般若経を転読する法要が行われます。
10月〜11月 七五三詣 お子様の成長を祈願する儀式です。
10月下旬〜11月 菊まつり 境内に様々な種類の菊が展示されます。
11月18日〜30日 もみじまつり 境内の紅葉を楽しむお祭りです。
11月23日 萬燈会・もみじ灯路 灯篭や提灯が灯され、紅葉の時期の夜を彩ります。
12月12日 煤払い(すすはらい) 年の瀬に一年の埃を払い、大掃除をする行事です。
12月冬至 星まつり 冬至に行われる、厄除けと一年の息災を祈る法要です。
12月28日 納めの不動尊・年の市 年内最後の不動明王の縁日で、年の市が立ち賑わいます。
12月31日 大晦日・除夜の鐘供養 一年の終わりを告げ、煩悩を祓う除夜の鐘を撞く供養が行われます。

毎月の行事

日付 行事名 概要
毎月15日 お焚き上げ お札やお守り、古い仏具などを感謝の念を込めて焚き上げる供養です。
毎月21日 宗祖弘法大師ご命日 弘法大師(空海)の月命日に行われる法要です。(月例写経会も午後1時半より行われます)
毎月24日 千体地蔵尊月例回向 千体地蔵尊に対する月例の回向(供養)です。(午後2時より)
毎月28日 お不動様のご縁日 不動明王の月命日。参道は歩行者天国となり、多くの参詣者で賑わいます。
毎月第2日曜日 リサイクル市 毎月開催されるリサイクル市です。(※雨天中止)
毎月第3日曜日 ござれ市(がらくた市) 骨董品や古物などが並ぶ、いわゆる「がらくた市」です。

高幡不動尊の祈祷・護摩修行

高幡不動尊は、別名「交通安全祈願の本山」として親しまれ、毎日多くのドライバーや車両で賑わっています。交通安全のために、ご本尊の不動明王様に心を込めて祈祷します。

交通安全祈祷

高幡不動尊は、実は「交通安全祈願の本山」としても広く知られています。境内は毎日、安全を願う多くの車両とドライバーで賑わっています。

交通安全祈願は、すべて当日受付です。事前の予約は不要。

  • 受付時間: 毎日 9時 〜 16時半
  • 通常受付場所: 交通安全祈願受付所

年始期間(特別時間)
特に混み合うお正月の三が日は、早朝よりご修行を行います。

  • 1月1日(元旦): 午前0時から修行を開始。
  • 1月2日、3日: 午前6時から修行を開始。
  • 1月4日〜7日: 午前8時から修行。

年始の受付場所: 宝輪閣(ほうりんかく)で申し込み可能。

申し込み用紙について

  • 個人用の交通安全祈願申込用紙については、高幡不動尊金剛寺まで直接問い合わせが必要です。
  • 団体用は 団体交通安全護摩申込用紙を使用。

護摩修行

お護摩とは、梵語でホーマ(homa)と呼ばれ、「焚く・焼く」などの意味を持つ言葉です。
お護摩の火は不動明王の智恵、焼く薪は煩悩を示し、護摩の儀式を通じて薪という煩悩を、不動明王の智恵の炎で焼き尽くし、願いが清浄な願いとして高まり、成就することを祈ります。

お願い事は、家内安全・商売繁昌・身体安全・厄災除・災難消除・当病平癒・手術成就・負傷平癒・心願成就・社運隆昌・事業繁栄・工事安全・作業安全・交通安全・旅行安全・安産満足・六三除・方災消除・身上安全・無病息災・合格成就・就職成就・学業成就・開運満足・新生児祈願・御礼等があります。

護摩修行は当日受付で、受付は開始10分前まで。
※受付場所は宝輪閣(お札所)。

※個人護摩申込用紙が必要な際は、高幡不動尊金剛寺までお問い合わせください。

お護摩料

  • 大護摩料(58cm) 30,000円以上
  • 中護摩料(52cm) 15,000円
  • 護摩料(45cm)  7,000円
  • 護摩料(37cm)  5,000円
  • 懐中札      5,000円
  • 交通安全祈願料  5,000円

アクセス情報

高幡不動尊金剛寺は、電車を利用すると非常にアクセスしやすいです。

電車でのアクセス

​最寄りの駅から境内までは参道商店街を歩いてすぐです。

  • ​京王線:高幡不動駅で下車し、中央改札から出て徒歩で約5分です。
  • 多摩モノレール:高幡不動駅で下車し、徒歩で約5分です。

​主要ターミナル駅からの所要時間は、特急を利用した場合、新宿駅から約35〜40分、渋谷駅からは明大前駅で京王線に乗り換えて約40〜45分が目安となります。

車でのアクセス

​車を利用の場合は、中央自動車道の利用が便利です。

中央自動車道の国立府中インターチェンジ(IC)で降り、国道20号線(甲州街道)を八王子方面へ進むと、約20分で到着します。

駐車場情報

​参拝者用駐車場があり、料金は無料、約300台収容可能です。

  • ​第一駐車場(仁王門横):約200台
  • 第二駐車場(四季の道側):約100台

​【注意点】
正月三が日や毎月28日の縁日、あじさいまつりや紅葉の時期など、行事や季節によっては周辺道路や駐車場が大変混雑します。これらの時期は、できるだけ公共交通機関の利用をおすすめします。

基本情報

​【寺号】 高幡不動尊(たかはたふどうそん)
【正式名称】 高幡山明王院金剛寺(たかはたさん みょうおういん こんごうじ)
【所在地】 東京都日野市高幡733
【電話】 042-591-0032
【宗派】 真言宗智山派(別格本山)
【拝観時間】 9:00~16:45(奥殿・大日堂・五重塔の拝観受付時間。境内は常時参拝可能)
【ご本尊】 不動明王(ふどうみょうおう)
【ご利益】 厄除け、災難除け、開運、心願成就、家内安全、身体健全、交通安全、学業成就 など多数
【付属施設】 奥殿(宝物殿)、丈六不動堂、大日堂、五重塔、大日堂写経室
【公式サイト】 https://takahatafudoson.or.jp/

この記事のまとめ

高幡不動尊 金剛寺は、厄除けの強力なご利益と新選組ゆかりの歴史を兼ね備えた寺院。御朱印は複数種類あり、参道や五重塔など見どころも多彩。さらに弘法大師(空海)との深い結びつきもあり、密教・不動明王信仰の中心地として重要な役割を果たしています。
おすすめルートを「必見ルート」と「八十八霊場ルート」に分けることで、目的に合わせて選べるのが魅力。両方を巡れば半日で厄除け参拝から歴史探訪、弘法大師信仰体験まで一度に楽しめます。アクセスも便利で駐車場も完備しているため、初詣や観光、巡礼の拠点として最適です、ぜひ参拝してみてください。